新築の注文住宅でスキップフロアを取り入れてみたいと考えている人もいるでしょう。立体的で個性豊かな空間を創出できるスキップフロアは、自由な設計が可能な注文住宅ならではの魅力です。そこでこの記事では、スキップフロアのメリットやデメリット、間取り、実例について紹介します。
1.スキップフロアとは
ドアや壁などの仕切りではなく、段差を利用して空間をリズミカルにつなぐスキップフロア。1階と2階の間に、本来はなかった中2階のようなスキップフロアが生まれることで、立体的でおしゃれな印象に仕上がることが特徴です。
建売住宅で見かけることは少なく、注文住宅だからこそできる個性的でインパクトのあるデザインとして注目を集めています。また、敷地に対して使える床面積が増やせるため、空間や収納を増やすためにも有効です。
2.スキップフロアのメリット・ デメリット
スキップフロアのある家に住んだことがないため、イメージがつかみにくいということもあるでしょう。そこでまず、スキップフロアのメリットとデメリットについて解説します。
2-1.メリット①空間を有効活用できる
スキップフロアの最大のメリットは、空間を有効活用できることです。従来の1階、2階という考え方ではなく、縦に空間が広がることで、間取りの自由度がより高くなります。スキップフロアは一定の条件を満たしていれば、容積計算上の延べ床面積に加算されません。そのため、土地に対して実質的な床面積を増やすためにも使われます。
2-2-1.狭小住宅や平屋でもスキップフロアは可能
スペースに制約がある狭小住宅や平屋にもスキップフロアは有効です。一般的な住宅の場合、1階と2階しか床を確保できず、狭い土地では間取りが限られてしまいます。しかし、スキップフロアを利用して高さを調整することで、狭い土地でもある程度の空間の広さを確保しやすくなります。
スキップフロアによって新たに生まれたスペースを、ライブラリーや書斎、勉強コーナーにする、収納にするなど、さまざまなスペースとして活用できます。
2-2.メリット②開放的で明るい空間に
壁や扉ではなく段差で仕切ることにより、全体的に光が通りやすく、開放的な空間になります。
空間を開放的にする手段として吹き抜けも人気ですが、吹き抜けをつくることで建物の床面積を減らしたくないという場合にも有効です。スキップフロアの場合、扉や壁だけでなく、天井による仕切りも少なくなるため、縦横に広がる開放的な空間が生まれます。吹き抜けと組み合わせることで、さらに明るい家になります。
2-3.メリット③リビングからの景観を良くする
スキップフロアをつくることで、リビングとダイニングや和室が仕切りなくつながり、開放的で立体的な景観になります。フロアの高さに変化があることで、思った以上にドラマチックでインパクトのある風景が生まれるのです。
リビングから見るか、和室から見るかなど、見る角度によって景観に異なる表情があるため、飽きのこない楽しいデザインの家になります。
2-4.メリット④階段下を利用して収納が増やせる
スキップフロアは段差が多く生まれるため、段差を利用した収納を作りやすいことが特徴です。たとえば、スキップフロアをお子さんの遊び場とし、その下の階段下を家族の収納スペースにするなど、空間を有効利用しながら収納が増やせます。
できるだけ収納を増やしたいという場合にもスキップフロアがおすすめです。
2-5.メリット⑤傾斜地の土地形状を生かせる
傾斜地の土地の形を生かして家づくりをする場合にも、スキップフロアは有効です。
傾斜地の場合、一般的な住宅では地下を作る、擁壁を作るといった方法で対処します。しかし、これらの工事は大掛かりになりやすく、費用がかかりやすいのが難点。しかし、スキップフロアを採用すれば、土地の高さに合わせて間取りを作りやすいため、余分な費用をかけずに家を建てられる場合があります。傾斜地に新築を建築している場合は、ハウスメーカーなどにスキップフロアの可能性を相談してみましょう。
2-6.デメリット①設計・建築の難易度が高い
スキップフロアは一般的な住宅と比べると設計や建築の難易度が高くなり、対応できるハウスメーカーが限定される場合があります。また、設計士に合理的な間取りにするための知識や経験があることも欠かせません。建築技術も求められるため、施工する職人の質も求められます。
スキップフロアを導入する場合には、検討中のハウスメーカーにどのくらいスキップフロアの実績があるかを確認しておくといいでしょう。
2-7.デメリット②バリアフリーではなくなる
スキップフロアは階段や段差を多く使う設計方法です。そのため、バリアフリーの住宅とはいえない状態になります。
高齢の家族がいる場合、スキップフロアを取り入れても問題がないか十分に検討しましょう。ホームエレベーターを使って対処する方法もありますが、間取りの制約ができてしまうため、将来にわたって空間をどのように利用したいのかハウスメーカーと相談しておく必要があるでしょう。
また、お子さんがいる場合、小さいうちは段差で怪我をしてしまう危険性もあります。少し成長したら、スキップフロアのある立体的な空間はお子さんの冒険心をくすぐる楽しい家になるでしょう。
2-8.デメリット③空調の効率が良くない
スキップフロアには壁や扉による仕切りがないため、1つの空間が広くなります。そのため、気になるのは吹き抜けと同じく、空調効率が下がりがちということ。部屋が暑いのになかなかエアコンが効かない、冬にはなんとなく肌寒いなど、不便な思いをする可能性があります。冷暖房の費用が高額になりやすいのも忘れてはいけないデメリットです。
3.全館空調があれば吹き抜け+スキップフロアも快適
三菱地所ホームなら全館空調「エアロテック」によって、スキップフロアや吹き抜けがあっても快適な空気を家全体に届けられます。
全館空調とは、家全体の空調を1台の空調機械で管理するシステムのことです。廊下や洗面などエアコンがない部屋も温度が安定するため、ヒートショックなどの対策にも有効。もちろん、扉や壁で仕切らないスキップフロアとの相性も抜群です。
3-1.容積率緩和を活用して広々空間を実現
三菱地所ホームは全館空調「エアロテック」を活かしたスキップフロアや吹き抜けにより、容積率緩和を実現する家づくりを行っています。容積率とは、その土地に建てることができる建物の延床面積の割合のことで、都市計画によって定められています。しかし、メリット①でもご紹介したように、スキップフロアは一定の条件を満たしていれば、容積計算上の延べ床面積に加算されません。これを容積率緩和といいます。
三菱地所ホームでは、全館空調の強みを生かし、容積率緩和を活用して生活面積を増やした住まいを数多く手がけています。スキップフロアや吹き抜けの施工事例も多いため、動線や安全面にも問題のない、確かなご提案と建築が可能です。
4.おしゃれで実用的!スキップフロア実例集
三菱地所ホームではおしゃれで実用的なスキップフロアの建築事例が豊富です。そして全館空調を組み合わせることで、空調の効率が悪い、設計の難易度が高いといったデメリットを回避しながら、スキップフロアを取り入れた理想の空間が実現できます。
また、スキップフロアが気になるのであれば、実際にスキップフロアを取り入れた家で、その視覚的な楽しさや明るい開放感を味わってみたいところ。スキップフロアを導入したホームギャラリーをご紹介しますので、ぜひ訪れてみてくださいね。
天井高3.7mの開放的なリビングを、スキップフロアのダイニングやライブラリーとつなげています。床の高さをずらすことで、家族がお互いの気配を感じながら、視線を気にせず過ごせます。
ロフトと2階の間にスキップフロアを設けた3層構造。開放的でありながら集中できる書斎を生み出しています。
階段の途中にスキップフロアのライブラリーをつくっています。
スキップフロアと一口にいっても構造やデザインはさまざまですが、空間の用途や家族構成などによって最適な間取りは変わってくるため、それを踏まえてレイアウトを決めることが大切です。
三菱地所ホームでは、今回の記事で紹介したような快適に過ごせるスキップフロアの実例が豊富です。
空調効率が下がりがちというデメリットを全館空調「エアロテック」で解消しつつ、自由度の高いフルオーダーの家づくりを提案することで、設計・建築難易度の高いプランニングも実現可能です。
各地のモデルハウスで実際の雰囲気や空間の使い方のイメージを確認できるので、ぜひ一度三菱地所ホームのモデルハウスにお越しください。