理想の睡眠時間を8時間と考えると、人生の1/3は睡眠に費やしていることになります。家の中で、意外にも寝室で過ごす時間は多いということ。ついリビングやキッチンに目がいきがちですが、せっかく家を新築するなら、質の良い睡眠につながる寝室づくりにもこだわりたいところです。
快適な寝室を手に入れて、ぜひ人生の質を向上させましょう。
1.どんなふうに寝て、目覚めたいか
寝室とはただ寝るだけの部屋、と思っている人もいるかもしれません。しかし、寝室は1日の終わりに眠りにつくまでと朝起きてからの時間を過ごす場所であり、寝室の環境が睡眠の質を左右することもあります。質の良い睡眠は、1日の質も変えることを考えれば、寝室はとても重要ですよね。
上質な睡眠につながる寝室をつくるには、まず自分にとっての「理想の寝室」を考えることから始めましょう。自分にとっての快適な睡眠を追求していくと理想の寝室がイメージできるようになるはずです。
「静寂に包まれて眠りたいのか?」、あるいは、「朝日を感じて自然に目覚めたいのか?」など、まずは具体的な要望を洗い出してみましょう。
2.寝室にはどのくらいの広さが必要?
駒沢ステージ3ホームギャラリーの勾配天井の寝室
寝室は眠るスペースさえ確保されればさほど広くなくていい、という人もいれば、ほどよい広さがほしい、という人など、広さは人によって意見が分かれるところです。
部屋の広さは、天井の高さによっても印象が大きく違ってきます。開放感のある寝室にしたい場合は、勾配天井の寝室もおすすめです。ただし、天井が高いと逆に落ち着いて眠れない、という人もいます。どんな寝室であれば快適に過ごせそうか、実際にホームギャラリーで体感してみるのがおすすめです。
2-1.ベッドなら8畳、布団ならやや広めに
ベッドを置くか、布団にするか、その他、寝室に何を置きたいかによって必要な広さは変わってきます。さらに、ベッドサイズによっても必要なスペースも決まります。夫婦2人用にダブルベッドを選ぶケースも多いと思いますが、大人2人が寝るにはクイーンサイズのほうが断然ゆとりがあります。クイーンサイズのベッド幅は、一般的に約1,700mm。左右にスペースをとったり、クローゼットを開くことを考えると、左右合わせて1,200〜1,500mmほどのゆとりが必要です。
夫婦2人が快適に眠れるベッドと、収納などをプラスすることを考えると、余裕をもって8畳程度が理想ということになります。
布団を敷いて寝る場合、低い位置に寝ている分、布団周りに十分なスペースがほしいことも考慮して、それよりやや広めが目安となります。
3.ナイトテーブルはどこに置くか
ベッドの横には、時計やメガネなど、ちょっとした小物を置くためのナイトテーブルを用意したいところです。
眠る前は読書時間、という方も多いでしょう。ナイトテーブルを小さな本棚として使ったり、ホテルのようなスタンドライトを置くのも素敵です。どのような用途でナイトテーブルを置くか検討し、サイズを確認しましょう。ベッドの両サイドに置くのか、片方に置くかで必要なスペースは大きく変わってきます。
ナイトテーブル以外にも置きたい家具があれば、必要な寸法をチェックしておきます。
4.クローゼットを効果的に配置する
石神井ホームギャラリーの枕元にウォークインクローゼットを配置した寝室(二世帯住宅の親世帯を想定)
寝室にはたっぷりと収納できるクローゼットを置きたい、と考えている人も多いでしょう。
最近では、ウォークインクローゼットを代表とする「人が入れるクローゼット」が主流になっていますが、寝室のスペースの関係上、従来の壁に扉のついたクローゼットを設置するケースもあるはずです。
注意したいのは、寝室の壁一面にクローゼットを配置すると、なんとなく落ち着かないという人もいること。人が一番安心できるのは、窓や扉より、壁だと言われています。クローゼットがあることで安心できないタイプの人であれば、壁を背にするのが一番です。
ご自身や家族がどのくらい扉が気になるタイプなのかを考慮すると同時に、家全体の収納プランを計画し、寝室には何をどの程度収納すれば快適に過ごせるかを考えましょう。
4-1.収納はベッド下や小上がりも検討
クローゼット以外の収納場所として、ぜひベッド下も候補として検討しましょう。特に、高さのあるベッドを置く場合、ベッド下は絶好の収納スペース。想像している以上の収納力があるはずです。
布団を敷く場合には、小上がりも検討しましょう。小上がりの下にもたっぷりと収納を確保することができ、空間を有効活用したい場合にはおすすめです。
5.枕元や東向きの窓は控える
寝室の枕元に窓があると、冬は肌寒く感じることが多いです。逆に、仰向けになったとき、足元に窓があると落ち着かないということもあります。
東向きの窓の場合、朝から日の光が入って気持ちよさそうだと思うかもしれませんが、朝早く目が覚めてしまう、早朝から眩しいなど、デメリットが多いので注意しましょう。夏場は直射日光が眩しく、寝ていられない、ということになります。逆に、西向きの窓は、夏場は寝室が暑くなりすぎて、夜冷房が効きにくいというデメリットがあります。
また、夏と冬では、太陽の位置が違ってきます。快適に眠れる寝室を考えるときには、夏は直射日光を防ぎ、冬は暖かい日光を取り込めるような位置に横に窓を取り付けるといいでしょう。
窓の位置、さらには形も工夫することで、快適な寝室につながります。
5-1.遮光カーテンは必要か
寝室の雰囲気を印象づけるものに、カーテンがあります。さまざまなテイスト、種類のカーテンありますが、遮光カーテンを選ぶかどうかで選択の幅は違ってきます。
ポイントは、朝どのように目覚めたいか、寝つくときにどの程度暗くしたいかです。朝日を浴びて自然に目覚めたいなら、東向きの窓でなければ遮光カーテンは不要です。逆に、朝は遅くまでゆっくり寝ていたい人は、窓の向きに関わらず遮光カーテンを選ぶのが無難。光をどこまで遮断するかはカーテンの「遮光等級」によっても変わってきます。
6.ダウンライトや間接照明でリラックス
照明によっても、睡眠の質は大きく変わってきます。部屋全体が明るかったり、眩しすぎるほどの光を浴びていては、良い眠りにはつけいけません。
寝室は、リラックスして身体を休める場。よく使われるのは、ダウンライトや間接照明を使う方法です。ダウンライトは、天井に電球を埋め込むタイプの照明で、必要なところだけ照らします。部屋全体を明るくせず、適度に暗い部分が出るのが特徴。部屋の中でも明るさに違いが生じるので、落ち着いた雰囲気で安眠しやすい照明として人気です。ただ、真下から見上げると当然眩しいので、効果的な取り付け位置をよく検討しましょう。
スタンドライトなどの間接照明もおすすめです。直接光が目に入らず、適度な明るさを保ちつつ、眠くなってきたころでスイッチを押して消せるので便利です。
7.壁紙は落ち着ける優しい色合いに
寝室は自分たちだけのプライベート空間と考え、できれば個性的なインテリアにしたい、と考える人もいますが、寝室の壁紙は、白などを中心に明るく優しい色合いを選び、落ち着ける空間にするのが一番です。
少し変化をつけたいときは、たとえば、オフホワイトを基調にアクセントとしてリラックスできるブルー系を選んでみてはいかがでしょうか。睡眠にも適した壁紙になるはずです。
フローリングの家でも、寝室の床は絨毯にするのもおすすめです。歩く音が響きにくいだけでなく、スリッパなしで過ごせることから、素足ならではのリラックス感を味わうことができます。
8.木の風合いに癒される
ダイニングやリビングの天井と違って、寝室の天井は毎朝、毎晩、本当によく眺める場所。寝室の天井を優しく落ち着ける色合いにするほか、癒し効果のあるデザインにしてみるのも一つのアイデアです。
おすすめは、「木」。「木」で天井を癒しの空間にしてしまう方法です。木目ならではの風合いは、視覚的にリラックス効果があるといわれています。癒し効果抜群で、心地よい眠りに導いてくれるはずです。
9.こだわりを叶えた理想の寝室を
寝室は、日々の疲れをとり、明日への活力を養うための、大切な眠りの場所。新築の際には、広さや間取りを考えるだけでなく、収納や窓の位置、照明などあらゆる角度から総合的に検討することが大切です。
自分のライフスタイルに合った寝室にはどのようなタイプがあるのか?それを知るには、実際に見てみるのが一番の近道です。ぜひホームギャラリーをのぞいて、理想の寝室のイメージをつかんでください。