毎日、家族が出入りするだけでなく、お客様や宅配業者などたくさんの人の目に触れる玄関は、家の「顔」と言っても過言ではありません。そこで、おしゃれで使いやすい玄関を作るためのアイデアをご紹介。家づくりの中でも重要なポイントの一つなので、新築一戸建てを計画中の方は、ぜひ目を通してみてくださいね。
1.家全体の満足度を左右する「玄関」
家づくりをするにあたって、家族が集まるリビングや、料理のしやすさを左右するキッチンにこだわる人は多いでしょう。それに比べると、玄関の優先順位は低くなりがちかもしれません。しかしその分、実際に住み始めてから不満が出やすい箇所であるのが玄関です。
玄関は日々、家族やお客様を迎える重要な場所。ご近所の方が回覧板を届けに来てくれたときなどに、ふと目に入りやすいのも玄関であり、玄関がいつもきれいに整っていると、家全体の印象が良くなります。せっかくきれいにデザインしていても、小さいお子さんがいて靴が散らかっていたり、ベビーカーや多すぎる傘など、収納しきれない物であふれたりしている状態では残念ですよね。
使用頻度が高い場所だけに、玄関には見た目だけでなく、機能的な側面も大いに求められるのが特徴です。
2.家づくりの前に要チェック!新築玄関の失敗例
それでは、新築一戸建てを計画中の方にはぜひチェックしてもらいたい、玄関づくりでよくある失敗例をポイントごとにご紹介します。
2-1.思ったより狭い
リビングの広さは気にしても、玄関の広さはそれほど気にしないという人もいるかもしれません。しかし、靴や傘、シャベルやベビーカーといった外で使う物など、玄関に置いておきたい物は意外と多く、住んでみると「玄関が思ったより狭かった」と感じる人は多いようです。
学校の先生の家庭訪問や町内会の方、保険の案内など、玄関先にお客様を迎えてお話する機会もあり、玄関が手狭だと家全体の印象が悪くなりそうで心配という人もいます。
2-2.いつも散らかってしまう
玄関に物があふれていると、靴を脱ぎはきするスペースがさらに狭くなり、お子さんなどがつい靴を脱ぎすてて散らかってしまうことがあります。いくらきちんと揃えるように注意しても、揃えられる場所がないようでは習慣にもなりにくいですよね。
玄関が散らかっていると、外から見たときになんとなく家全体が整理されていない印象になってしまうので要注意です。
2-3.照明をつけないと暗い
外からの光が入らない玄関だと、照明をつけないといつも薄暗い印象になります。かといって、玄関を出入りするたびに照明をつけるのは面倒だし、電気代ももったいないし…と、薄暗い玄関のままにしているというご家庭も。外から帰ってきて、最初に迎えてくれる玄関が薄暗いと、なんとなく気持ちも上がりませんよね。
2-4.汚れが目立つ
玄関はいつもきれいにしていたいもの。といっても、靴についた泥汚れなどで汚れやすいのも玄関です。そんなとき、白や薄いベージュなど汚れが目立つ色合いの素材を使った玄関では、ますます掃除が大変になってしまいます。
3.お気に入りの新築玄関を作るポイント
では、将来にわたって家族の不満が出ない、お気に入りの玄関をつくる上で重視したいポイントを紹介します。
3-1.家族構成に合った収納
お子さんが成長するにつれて運動用とローファーなど靴の種類が増えたり、アウトドアやガーデニング、自転車などの家族の趣味が増えることで収納が足りなくなり、気がつけば玄関に物であふれてしまうというのはよくあること。玄関には家族構成に合わせて、たっぷりと収納を用意しておきましょう。
エントランスホール奥に設けられた通り抜けられるシュークローク。
壁面だけでなく、土間の一角に扉のない通り抜けできるシュークロークを設けるのも人気です。上着などもそこで脱ぎ着できるとスムーズですよね。靴だけでなく、アウトドアアイテムなどを入れておくための玄関収納もあると便利です。
3-2.ゆったりとしたホール
家族が同時に出入りするときにも混雑しないよう、玄関ホールはスペースが許す限り、できるだけゆったりと計画しましょう。広さがあると出入りのたびに心地良く、見栄えもよくなります。
3-3.何度も見たくなるおしゃれなデザイン
石神井ホームギャラリーの玄関に設えられた飾り棚。
玄関に好みのデザインを取り入れると、我が家への愛着が増します。床のタイルや天井の木の質感にこだわったり、飾り棚やニッチに好きなアートやオブジェを飾るのもいいですね。気に入ったデザインの玄関ができるとお客様をお招きしたくなり、友人や近隣の方との交流も深まります。
駒沢ステージ2ホームギャラリーの玄関ホールではベルデグラッパの天然みかげ石を使用。ニッチに間接照明をつけてアートを演出しています。
3-4.快適な通気性と明るさ
玄関には日中なら照明に頼らなくても問題ない程度の適度な明るさと通気性を確保しましょう。ホールに採光のためのスリット窓をつけるといった工夫もおすすめです。
また、玄関の方角によっても明るさが変わってきます。風水でも吉とされる南玄関や東向きの玄関は明るさにはいいですが、西向きなどあまり直射日光が当たり過ぎると玄関ドアの劣化につながるので注意が必要です。北向きの玄関は暗くなりやすいですが、夏に涼しく、リビングなど居住空間を日当たりのいい場所にできるといったメリットがあります。
3-5.機能的で雰囲気のいい玄関ドア
窓だけでは明るさが足りない場合、スリット入りの採光性のある玄関ドアを取り入れるという方法もあります。最近では機能性の高い玄関ドアが豊富に販売されており、採光性や断熱性が高いものも出ているので、雰囲気を含めて使いやすいものを選びましょう。
玄関ドアでは、セキュリティも重要です。防犯対策では、1つのドアに2カ所以上の鍵をつける「1ドアツーロック」が基本。鍵をコピーされにくいディンプルキーや、「ちょっとゴミ出しに」と鍵をかけずに出かけたときを狙った空き巣対策になるオートロックの電子キーなども防犯効果の高い鍵として選ばれています。
3-6.使いやすい玄関と玄関ポーチ
玄関の方角によって、直射日光が当たり過ぎる場合は玄関ポーチに屋根やひさしをつけるといった工夫もできます。また、玄関ドアを開けてすぐ外の視線が気になるのも問題ですよね。そうした場合は、玄関の位置や角度をずらしたり、視線を遮る門柱やルーバーをつけたりすることも検討してみましょう。
玄関ポーチは、玄関の外に出て郵便物や宅配スーパーなどの受け取りをすることの多い場所です。扉を開けたときに外にいる人がぶつかってしまわないだけの奥行きがあるかも確認しておきましょう。
3-7.汚れにくい色のタイル
玄関に使用されることの多いタイルは、見た目だけでなく汚れにくさや掃除のしやすさも考慮しておくことをおすすめします。色では白は避け、ベージュやブラウンなど汚れが目立ちにくいものを選びましょう。雨に濡れても滑りにくい、歩きやすいといった機能面も抑えておくと安心です。
3-8.アプローチの利便性
アプローチは敷地の入口から玄関までの部分を指します。アプローチを計画するときには、スムーズな動線を叶えながら、段差を抑えた、利便性のいい設計にしましょう。デザイン性も重要ですが、家族にとって怪我をしにくい安全性と使いやすさを確保する一方で、不審者が隠れやすい死角を作らないなど、防犯面も考慮する必要があります。
アプローチを彩る植栽は景観を美しく彩りますが、植栽が多すぎると死角が生まれやすく防犯上問題となり、将来は手入れに苦労する場合もあるので注意しましょう。
3-9.ライフスタイルに合った照明
夜、荷物を両手に抱えて帰ってきて、玄関が暗いと足元が危険ですよね。そんなとき、人感センサーの照明を導入するだけで、日々の生活がぐっと快適になります。しかし、玄関の照明をつけることで寝室に明かりが漏れてしまうような場合には、センサーがないほうが便利かもしれません。
また、玄関にデザイン性の高い照明を取り入れると、雰囲気がとても良くなります。家族のライフタイルに合った照明を計画しましょう。
4.帰りたくなる玄関を
家族のお気に入りの玄関があると、家に帰るのが楽しくなります。ぜひ、さまざまな玄関を見て、見た目にも機能的にもこだわった素敵な玄関をつくりましょう。三菱地所ホームのホームギャラリーから玄関実例をピックアップするので、参考にしてくださいね。