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注文住宅 | 2023.11.24

窓の種類と違い、メリット・デメリット|部屋別のおすすめの窓は?

家づくり換気間取りアイディア

注文住宅では考えるべきことが多く、窓についてはなんとなく決めてしまいがちです。しかし、窓は種類ごとに機能や見た目の違いがあり、家の快適さや防犯性、そしてデザインにも大きく関係しています。特にマンションから引っ越すご家族の場合、建物の四面が外部になるため、窓による採光や通風とプライバシーの確保をどう兼ね備えたらいいのか、気になる人もいるでしょう。

そこで今回は、窓の種類とそれぞれのメリット、デメリット、部屋ごとにおすすめの窓を紹介します。目的に合わせた窓選びをして、快適な住宅を作る参考にしてください。

1.家の快適さに重要な意味を持つ「窓」

窓には家の断熱、採光、通風、デザイン性に関する、多くの役割があります。そのため、窓選びは住まい作りに欠かせない要素の一つ。計画的に窓を配置することで暑さや寒さを防ぎ、上手に光を取り入れて室内照明を効率的に使うことができるようになります。

窓は防犯面ではリスクにもなりますが、幅の細いスリット窓を採用することで、光や風は取り入れつつ、泥棒は入れないような対策も可能です。窓をうまく生活に取り入れることで、より快適な住まいを実現できます。

2.窓の種類一覧とメリット・デメリット

窓にはいくつかの種類があり、それぞれのメリットとデメリットを把握して、うまく使い分けることが大切です。ここでは窓の種類とメリット、デメリットについて解説します。

2-1.【引き違い窓】省スペースで自由度が高い

日本ではよく見られる一般的な窓である引き違い窓は、2枚の窓ガラスを左右に引いて開閉できるタイプの窓です。ドアのように前後に開閉しないため省スペースで、開ける幅も自由に調整できる点がメリットです。風通しのよい住宅を作るためには、欠かせない窓の一つでしょう。

その反面、気密性は低くなりがちで、窓の外側の掃除がしにくい点がデメリットです。また、昔から多くの住宅で採用されている分、引き違い窓ばかりだと無個性な印象を与える場合もあります。

2-2.【すべり出し窓】横すべり出し窓と縦すべり出し窓がある

すべり出し窓とは、外側に開いて効率的に風を取り入れられる窓です。開き方は横すべり出し窓と縦すべり出し窓の2種類があり、場所によって使い分けます。

メリットは換気性能が高く、引き違い窓よりも省スペースで設置できること。サッシの気密性も引き違い窓と比べて高くなります。開口部が小さいため、防犯面で気になる場合の明かり取りにも有効です。

横すべり出し窓の場合、雨が入りにくいのも魅力。ただし、横すべり出し窓は縦すべり出し窓に比べると風通しが確保しにくいという点がデメリットです。

2-3.【上げ下げ窓】引き違い窓を90度回転

上げ下げ窓は、引き違い窓が左右であるのに対して、上下で開閉できる窓です。開き具合や開き方を変更でき、上下が独立して動くもの、上下連動して動くもの、片方しか動かせないものなど種類があります。

役割は引き違い窓と大きく変わりませんが、上下連動で動くものや片面のみ動くものの場合、防犯性を確保できます。その反面、やや開閉しにくく、引き違い窓と同様、部屋の内側から窓の外側の掃除がしにくい点がデメリットです。

2-4.【両開き窓】開放感は抜群

両開き窓とは、両側に大きく開ける窓のことです。閉めた状態では気密性が高く、開いた場合には風通しがよく、開放感があります。採光も申し分なく、明るい雰囲気になるでしょう。また、網戸がロール式になっている場合、網戸が使用時にしか目立たないため、見た目の印象もよくなります。

しかし、開けっぱなしでいると防犯性に問題があるほか、小さいお子さんの転落のリスクがある点に注意が必要です。小さなお子さんがいるご家庭で両開き窓を採用する場合には、ストッパーなどで開く範囲を制限する必要があります。

2-5.【片開き窓】気密性の高さが魅力

片開き窓は、片側に開ける窓です。気密性が高く、両開きほど広くはないものの、ある程度開放的な印象を与えられます。両開き窓と同様、防犯性に心配はありますが、ストッパーをつけると防犯対策になります。ただし、ストッパーを使うと、十分に窓が開けられず、開放感に欠けてしまいます。

2-6.【はめ殺し(FIX)窓】採光と防犯性を両立

はめ殺し窓とは、ガラスがはめ込まれ、開閉できない窓です。採光を目的とした窓で、スリット状や小窓など形状はさまざま。FIX窓とも呼ばれています。畳コーナーや玄関の明かりとり、吹き抜けの2階部分などに取り付けることが多い窓です。

メリットは採光と防犯性を兼ね備えられること。デメリットは、開け閉めはできないため、通風性はないことです。

2-7.【天窓】壁付けの3倍の採光量

天窓はトップライトとも呼ばれ、屋根や天井に取り付ける窓です。壁に設置する窓と比べて、同じ面積でも3倍ほどの採光量が得られるため、採光が確保しにくい北側などに設置されます。

反面、光が入りすぎることで夏には暑くなる可能性があるほか、雨漏れの原因になる可能性があるため、定期的な点検が欠かせません。また、直射日光が入ると眩しすぎるため、設置場所は考える必要があります。

2-8.【掃き出し窓】大きな窓からたっぷり採光

掃き出し窓は、下枠が床に面し人の出入りができる大きさの窓です。ホコリが掃き出せることからこのような名前がついています。窓の位置と大きさによって付けられる名称で、形状としては引き違い窓になっていることが一般的です。

風通しが良く、採光も確保できますが、人が出入りしやすい分、防犯面では心配があるため、割れにくく、泥棒の侵入や飛来物対策ができる複層ガラスなどを使用すると安心です。

掃き出し窓が引き違い窓の場合、窓は取り外し可能です。そのため、引っ越しや家具の買い替え時、ドアから家具が入らない場合は、掃き出し窓から入れることになります。玄関扉から家具が入らないケースもあるため、家具の搬入面も考えて掃き出し窓の設置位置を考えましょう。

取り付け位置によっては、腰窓・肘掛窓などにすることもできます。

2-9.【出窓】空間にゆとりを演出

出窓は壁の外側に突き出した窓です。複数の窓を組み合わせることが多く、はめ殺し窓を中心に、両サイドを片開きやすべり出し窓にするのが一般的です。

見た目がおしゃれで、空間に広がりを持たせられるのが魅力ですが、夏は暑くなりやすく、冬は結露しやすくなることも。出窓を採用する場合には、断熱対策をしっかりしておくことが必要です。

2-10.【ルーバー窓】目隠ししながら換気が可能

ルーバー窓とは、細かい羽板を組み合わせた窓です。通風性と換気性を確保しつつ、目隠しもできるため、浴室などに使われます。しかし、構造上、壊すのが容易なため、防犯性を考えるなら外部に面格子をつけるのがおすすめです。近年では防犯用のパーツがセットになったルーバー窓も増えています。

2-11.【排煙窓】3階建て戸建住宅に必要

排煙窓は煙を排出するための窓です。3階建て住宅や200平方メートルを超える住宅など、条件を満たしている場合に設置が義務づけられています。一般的な住宅で、排煙窓が必要な場合は多くありませんが、条件を満たす場合には、必ず設置しなければならないものです。

3階建て以上など条件を満たす住宅の場合は、設置されているかどうか確認しましょう。

3.部屋ごとのおすすめの窓は?

窓の種類と特徴を把握しても、どの部屋にどんな窓を選べばいいか迷ってしまうかもしれません。部屋ごとに窓を使い分ければ、住まいはより快適になります。ここでは部屋ごとにおすすめの窓を紹介します。

3-1.リビング/掃き出し窓+縦すべり出し窓(またはスリット窓)

リビングにおすすめの窓の配置の例は、掃き出し窓に、縦すべり出し窓をスリット状で取り入れることです。掃き出し窓によって、採光と通風を効果的に確保でき、スリット状の縦すべり出し窓を加えることで、よりその効果は高まります。

吹き抜けがある場合や暗い部分がある場合は天窓を取り入れると、より心地良いリビングになるでしょう。

3-2.キッチン/縦すべり出し窓・ルーバー窓

キッチンの窓は縦すべり出し窓やルーバー窓がおすすめです。これらの窓は通風性が高く、必要な面積も小さいため、家具や調理家電が多く、匂いや湿気などがこもりやすいキッチンでも快適に料理ができるでしょう。

ルーバー窓であれば、窓を開けているときも外からの視界を遮ることができます。ただし、配置によっては使い勝手が悪くなるため、家具の配置と合わせて考えることが大切です。

3-3.寝室/横すべり出し窓

寝室の窓でこだわりたいのは気密性の高さです。気密性が高いとエアコンの効きが良くなり、防音性も高くなるため、安眠しやすい環境になります。

高所用の横すべり窓であれば、外からの視界を遮りながら、換気と採光が実現できます。東面の窓は朝日が安眠の妨げになることがあるため、配置についてはよく検討しましょう。

3-4.子ども部屋/連窓(縦すべり出し窓+FIX窓)

子ども部屋は、採光と通風を確保しながら、安全性や防犯性に配慮したいところです。おすすめは、横すべり出し窓やFIX窓を連窓にして使うこと。

ただし、窓があまりにも多いと、お子さんが壁に自作の絵やポスターを貼ることできなくなってしまいます。最小限の窓で、採光と通風性を確保するといいでしょう。

3-5.お風呂/すべり出し窓・片開き窓・上げ下げ窓

お風呂は気密性が高いすべり出し窓や上げ下げ窓がおすすめです。気密性を確保すると、お風呂の室内温度が安定し、快適な環境になります。窓に格子を組み合わせると、防犯面の対策も万全です。

3-6.トイレ/縦すべり出し窓

トイレは外から見えにくく、換気も同時にできる窓がおすすめです。縦すべり出し窓であれば、面積が狭いトイレでも、通風性をしっかり確保できます。窓を曇りガラスにすれば、少し開けても外から中が見えません。

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4.適材適所の窓で明るく心地いい住まいを

瀬田ホームギャラリーの外観。窓の形状や大きさがデザインのアクセントに。

窓には多くの種類があり、それぞれに異なる機能を持っています。窓は生活の快適さに与える影響が大きいため、それぞれの窓の特徴を理解し、目的に合った窓選びが大切です。そうすることで、明るく心地よい空間ができるでしょう。

建物の構造や間取りによっては、柱や壁の適切な位置が変わるため、希望通りに窓が配置できない場合もあります。また、窓は安全面や外観のデザイン面でも重要なポイントになるため、複雑な要素が関係しているといえます。窓の特徴を理解しつつ、プロにしっかりと相談することで、失敗しない窓選びを行いましょう。

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