最近のアウトドアブームにともない、家にいながら気軽に屋外を楽しめる「アウトドアリビング」の人気が高まっています。新築の注文住宅の建築やリフォームにあたり、実際に作るにはどのように考えていけば良いのか知りたいという人も多いのではないでしょうか。
今回はアウトドアリビングの概要を踏まえつつ、間取りや楽しみ方、注意点を実例とともに紹介します。
1.アウトドアリビングとは
アウトドアリビングとは、室内のリビングとつなげるようにテラスや中庭を設けて、屋外に共有空間を創出することです。
使い方を限定せず、家族がそれぞれ楽しめる空間にすることで、セカンドリビングのような位置付けになります。空間に広がりが生まれるので、室内のリビングもより広々と見えるでしょう。
なお、寝室や子ども部屋といった専有スペースとつなげると、使わなくなってしまうケースがあるため、リビングなど家族が集まる場所の延長上に作ることがポイントです。
2.アウトドアリビングのメリット
アウトドアリビングを作ると、以下のようなメリットを得られるので、生活の質がさらに高まります。
2-1.屋外でゆったりキャンプ気分
家にアウトドアリビングがあれば、人気の「おうちキャンプ」をいつでも楽しめるようになります。家族みんなでバーベキューをしたり、1人でのんびりハンモックで昼寝したりするなど、気軽にキャンプ気分を体感できるでしょう。
また、朝食やアフタヌーンティーをアウトドアリビングでいただくだけでも、非日常の気分を味わうことができます。
家にいるときの時間の使い方や自由度がぐっと広がるので、より充実した生活を送れるようになります。
2-2.お子さんやペットを安心して遊ばせられる
お子さんやペットがいる場合、アウトドアリビングがあれば屋外で安全に遊ばせながら、大人はゆっくりとくつろぐことができます。何をしているか目が届くため、事故やトラブルが起こる可能性も低くなるでしょう。
また、アウトドアリビングは室内のリビングとつながっているので、室内にいても屋外の様子をチェックできます。お子さんやペットを遊ばせながら、家事や仕事に取り組むことができるため、効率が高まることもメリットです。
3.魅力的なアウトドアリビングの作り方
家族が喜ぶアウトドアリビングを作るためには、以下の4つのポイントを押さえる必要があります。
3-1.目隠しで人目を気にせずリラックス
アウトドアリビングは屋外に作るので、特に道路と接しているような場合、通行人から丸見えの状態になってしまいます。人目を気にせずプライベートの時間を楽しむためには、目隠しが必要不可欠です。
目隠しと一口にいっても種類はさまざまですが、自然の雰囲気を損なわないウッドフェンスなどは人気があります。
フェンスや塀を設置すると、お子さんやペットが外に出てしまうことも防げるため、一石二鳥といえるでしょう。
3-2.夜も楽しめる照明や電源を用意
せっかくアウトドアリビングを作るなら、夜を楽しむための設備も取り入れてみましょう。屋外で使用できる照明や電源があると、夜にバーベキューをしたり、ゆったりとキャンプ気分を味わったりするときに便利です。
水漏れ防止用のカバーや盗電対策用の機器も併せて用意すると、より安心できますよ。
3-3.アウトドア用の家具やハンモックでおしゃれに
アウトドアリビングに一般的な家具を置くと、日光や風にさらされてすぐ劣化しやすいため、耐久性が高いアウトドア用家具を用意しましょう。
優れた機能性と耐久性を備えたイタリアの家具ブランド「パオラレンティ」(画像は下記で紹介)など、インテリアに馴染む軽くておしゃれなアウトドア家具が豊富に発売されています。室内用と共有にして、外で使うときだけ運び出すのもおすすめです。
また、ハンモックもリラックスできる、雰囲気が出るといった理由で人気があります。
3-4.屋根付きやタープ、東屋があると安心
アウトドアリビングを作る場合、家の屋根を延ばして上部を覆うカバードポーチを取り入れると、雨の影響を受けにくくなります。暑い日差しを避けられるため、熱中症対策としても役立つでしょう。
また、タープやオーニング、東屋などでアウトドアリビングの屋根を作るケースもあります。家のデザインや家族のニーズに合わせて、適切なものを選びましょう。
4.アウトドアリビングを作る際の注意点
アウトドアリビングは屋外に作るという性質上、いくつか注意点があるので、こちらも併せてご確認ください。
4-1.雨や台風など悪天候時の対策を考慮する
アウトドアリビングで過ごしていると、突然の雨に見舞われる可能性があります。そのため、防水機能のあるアウトドア用家具を用い、雨に濡れたらすぐ拭きとるなどのメンテナンスをしましょう。
また、台風が上陸した場合、椅子などが風で飛ばされて、トラブルに発展するケースもあるので要注意。いざというときにすぐにモノを収納できる屋外用収納を用意しておくと便利です。
4-2.ウッドデッキは定期的に手入れする
ウッドデッキを設置する場合、防水塗料を塗りなおしたり、防腐処理を行なったりするなど、少なくとも年1回の手入れが必要不可欠です。
ウッドデッキを雨風にさらされた状態で放置すると、腐食やシロアリ被害が進行して、耐久性も見た目も損なわれてしまいます。
4-3.夏の虫対策は忘れずに
アウトドアリビングを屋外に作る場合、虫対策も行なう必要があります。特に夏場は蚊・ハエがたくさん発生するため、虫除け剤や捕虫器など設置して被害を抑えたいところです。
また、室内から扇風機で風を送ると、虫が寄り付きにくくなります。
4-4.洗濯物は別の場所に干す
アウトドアリビングに洗濯物を干すと、非日常感が損なわれるだけではなく、単なる洗濯物干し場と化してしまう可能性もあります。
洗濯物干し場はアウトドアリビングから見えない別の場所を確保しましょう。
4-5.近隣へのマナーにも配慮
アウトドアリビングでお子さんと遊んだり、バーベキューをしたりする場合、隣近所への配慮も欠かせません。
特に都市圏では隣の住宅との距離が近い場合が多く、騒音や匂いなどのトラブルに発展しやすいため、あまり羽目を外しすぎるのは禁物です。
5.アウトドアリビングの施工例
上記のメリットやポイントを踏まえつつ、アウトドアリビングの間取り実例を紹介します。
5-1.中庭にプライベート空間を作る
駒沢ステージ2ホームギャラリーの中庭に設けたアウトドアリビング。ソファーとチェアは前述の「パオラレンティ」。
中庭にアウトドアリビングを作ることで、外からの視線を完全にシャットアウトしています。人目を気にせずリラックスして過ごせる、まさに家族だけのプライベート空間。都会に住みながら、空と自然を独占することができます。
また、室内のリビングから中庭の様子がしっかり見えるため、お子さんやペットを遊ばせるときも安心です。
5-2.屋上で星空を眺めながらディナー
オークラランドホームギャラリーのアウトドアリビング
屋上がある場合、このようなルーフトップ型のアウトドアリビングを作るのもおすすめです。立地にもよりますが、人目が気になりにくく、さまざまな用途で使えます。星空の下でディナーや晩酌をすれば、雰囲気も相まってより楽しめるでしょう。
天気の良い日は屋上のアウトドアリビングにマットなどを敷いて昼寝したり、のんびり読書したりするのも良いですね。
5-3.2階のバルコニーをセカンドリビングに
オーダーグラン赤坂ホームギャラリーのアウトドアリビング
2階のバルコニーにテーブルや観葉植物を置いて、セカンドリビングとして活用している実例です。広々とした青空の下、周囲はしっかり目隠しされているので、思う存分プライベートな時間を楽しめるようになっています。
室内のリビングとダイニングの間に配置されているため、行き来しやすいこともポイントです。
5-4.1階に凹みを作ってアウトドアリビングに
千里ホームギャラリーのアウトドアリビング
1階部分を大きく凹ませて、屋根付きのアウトドアリビングを作った実例です。石・水・緑が生み出す静寂の風景が心を鎮め、穏やかな気持ちにさせてくれます。また、全体が大きな屋根で覆われているため、急に大雨が降り出しても慌てる必要がありません。
敷地に余裕がない場合にも実現しやすいアウトドアリビングです。
5-5.和モダンなくつろぎ空間を創出
市川ホームギャラリーのアウトドアリビング
和のテイストを取り入れた、どこか懐かしさを感じさせるアウトドアリビングです。植栽のグリーンやウッドデッキの木目が組み合わさって、落ち着いた雰囲気を演出しています。アフタヌーンティーや読書を楽しむには、打ってつけのスペースですね。
キッチンからのアクセスが良く、アウトドアランチやディナーを楽しみやすいのも魅力です。
5-6.ペットと楽しむR状のアウトドアリビング
瀬田ホームギャラリーのアウトドアリビング
ウッドフェンスでR状に区切った、個性豊かなアウトドアリビング。開放的なスペースで、お子さんやペットと一緒にリラックスして遊べます。
シェードで日差しを遮れば、家族のくつろぎスペースとしても利用できます。
6.家族の楽しみ方に合ったアウトドアリビングを
アウトドアリビングの楽しみ方は人それぞれ。家族が何を望んでいるかによって、かたちや設備も変わってきます。家の構造や敷地面積なども考慮しつつ、自分たちにぴったりのアウトドアリビングを見つけたいところです。
三菱地所ホームでは、家族のニーズに最適な自由設計の家づくりをお手伝いします。アウトドアリビングに関するご相談も数多く受け付けているので、気になる方はぜひ一度お問い合わせください。