寒い冬を乗り切るために欠かせないものと言えば、やはり暖房です。従来は石油ストーブや蓄熱暖房機などが主流でしたが、最近は住宅性能の向上によって全館空調または床暖房を導入するケースもよく見受けられます。
注文住宅を建てるにあたって、全館空調と床暖房どちらを選ぶべきか迷っている方も多いのではないでしょうか。
今回の記事では、全館空調と床暖房をポイントごとに徹底比較しつつ、併用の要否についても解説します。
1.注文住宅の全館空調と床暖房はどっちを選ぶべき?
家づくりにおいて快適さを追求することは非常に重要です。内装デザインや機能性に優れているとしても、室温や湿度といった面で快適さが低い住宅は暮らしにくく、ストレスが溜まってしまう可能性もあります。
また、日本は四季がはっきりしており、時期によって気候・気温が大きく変わるため、その変化も踏まえて注文住宅を建てることが大切です。特に冬場の温かさは快適さだけではなく、家の中の温度差によって起こるヒートショックを防いで健康寿命を延ばすことにもつながるので、暖房はこだわる必要があります。
ハウスメーカーによっては全館空調のほか、全館床暖房を導入しているケースもあるため、選択に迷ってしまうかもしれません。両者の特徴を押さえたうえで、よく検討しましょう。
2.全館空調と床暖房を6つのポイントで徹底比較
全館空調と床暖房は仕組みそのものが大きく異なるので、暖房としての性能にも差があります。
そこで、全館空調と床暖房を6つのポイントに分けて、それぞれ比較検証しました。暖房選びで迷っているなら、ぜひ参考にしてみてください。
2-1.ポイント①暖かさ
結論から言うと、全館空調と床暖房はどちらも暖かいので、単純に優劣を決めることはできません。しかし、暖かさの“性質”にフォーカスすると、両者の違いが見えてきます。
床暖房の場合、遠赤外線による輻射熱で暖める仕組みです。足下からじんわりと暖まるので、心地良いイメージを持っている方も多いのですが、低温やけどには注意する必要があります。
一方、全館空調は天井付近の吹き出し口から暖気を放出して、家全体を暖める仕組みです。足下の直接的な暖かさは確かに床暖房のほうが優れていますが、全館空調は空気の温度ムラが生じにくく家中どこにいても暖かいので、足下はもちろん家全体の冷えが気になりません。一年中快適な室温を保つことができるので、床の表面の冷えも抑えることができます。
ただし、車庫などの上にある部屋は床が冷えやすいので、床暖房のほうが有効なケースもあります。温熱環境の観点から言えば、車庫は外部環境になるため、室内空間のような断熱が施されていないからです。
両者の違いが気になるなら、ぜひ冬場にリアルで体感してみましょう。三菱地所ホームの全館空調「エアロテック」の暖かさは、各地のホームギャラリーで体感できます。
2-2.ポイント②費用
全館空調の導入にかかる初期費用は、依頼するハウスメーカーや工務店、建物規模によって異なりますが、相場は100万円~250万円といったところです。
一方、床暖房も全館に導入する場合、初期費用として数百万円はかかります。ただし、家具などを置く場所には施工しないので、一概にどちらが高いとは言えません。
三菱地所ホームのように全館空調が標準仕様として導入される場合、住宅の建築費と別に暖房機器の初期費用を用意する必要はありません。また、全館空調は冷暖房兼用の設備なので、床暖房のように夏用のエアコン設置費用がかからないこともメリットです。
上記を踏まえると、コストパフォーマンスは全館空調に分があると言えるでしょう。
2-3.ポイント③スピード
全館空調は基本的に1年中・24時間稼働しているので、春夏秋冬いつでも快適に過ごすことができます。冬場だと寒さで設定温度を上げる機会も多々ありますが、全館空調は室温に温度差が生じにくい環境なので、室温が設定温度に至るまでのスピードが早いこともメリットです。
一方、床暖房は空調での暖房ほどの即効性がないので、暖まるまで時間を要します。特に全館床暖房の場合、暖まるまで丸1日程度かかることも珍しくありません。快適さを常時高めたいなら、早めに電源を入れたり、タイマー予約機能を使ったりするといった工夫が必要です。
このように暖房が効くスピードは、全館空調のほうが優れています。
2-4.ポイント④空気清浄効果
全館空調は冷暖房機能に加えて、空気清浄効果を発揮する「換気機能」が備わっていることも特徴です。花粉・砂ボコリ・カビ胞子・PM2.5など、外気には健康に悪影響を与える物質が含まれていますが、全館空調ならそれらを排除したうえで、きれいな空気を室内へ取り込むことができます。
一方、床暖房は暖房に特化した設備なので、空気清浄効果はありません。そのため、換気設備や空気清浄機などを別途用意する必要があります。
三菱地所ホームのエアロテックなら、外気に含まれる粉塵や有害物質を97%カットしつつ、室内で生じたホコリや化学物質も排出するため、いつでもきれいな空気をキープできます。さらに、調湿効果でカビやダニの発生も抑えます。
2-5.ポイント⑤メンテナンス
床暖房は大きく分けると電気式と温水式の2種類がありますが、前者は基本的にメンテナンス不要です。後者も温水が少なくなったら補充し、10年ごとに不凍液を交換する程度で済みます。
一方、全館空調は1~3年に一度の定期点検、10年前後に一度のダクト清掃など、専門業者による定期的なメンテナンスが必要不可欠です。また、全館空調はメンテナンスすべき箇所が多い分、故障時が大変と心配する方も少なくありません。
しかし、三菱地所ホームのエアロテックは、業界最長レベルの10年長期保証および年に1回の無償点検サービスを提供しているため、万が一の事態が起こっても安心です。普段のお手入れも2週間に一度の簡単なフィルター掃除くらいなので、ほとんど手間がかかりません。
2-6.ポイント⑥冬以外の快適さ
あえてこのポイントを挙げると、冬場なら全館空調にも床暖房にもそれぞれメリットがありますが、冬以外は床暖房だと対応できません。前述の通り床暖房はあくまで“暖房”であり、それ以外の機能は基本的に備わっていないからです。
全館空調は暖房に加えて、冷房・調湿機能も搭載しています。涼しい冷気を放出するだけではなく、室内の湿気もしっかり飛ばしてくれるため、夏の快適さも求めるなら全館空調が断然おすすめです。
また、一般的なルームエアコンの場合、トイレや玄関といった場所まで冷気が届きにくいので、部屋との気温差が大きくなるケースもよく見受けられます。その点、全館空調は隅々まで冷房を効かせられるため、いつでもどこでも快適に過ごせます。
3.全館空調と床暖房は併用する必要がない
全館空調と床暖房はどちらもメリットがあるので、「2つを併用すれば完璧なのでは?」という意見も見受けられます。しかし、結論として2つを併用する必要はありません。
最近の住宅は高断熱化および高気密化が進んでいるので、暖房で暖まった空気を逃さない能力が大きく向上しています。全館空調があれば床暖房がなくても十分暖かいですし、床暖房を導入するのなら全館空調は不要です。両方あっても無駄になってしまうので、他の設備などに予算を割いたほうが賢明と言えるでしょう。
また、全館空調と床暖房を併用すると、当然ながら光熱費も高くなるので、経済的な負担を踏まえてもデメリットしかありません。
間取りや暖かさの好みに合わせて、後悔のない暖房設備を検討しましょう。
4.全館空調のご相談は三菱地所ホームへ
全館空調を導入すれば、家中どこにいても暖かく過ごせるようになります。また、床暖房にはない冷房機能や換気機能が備わっているため、より幅広いシーンで役立つこともメリットです。
全館空調の暖かさや快適さを確かめたいなら、実際に体感してみるのが一番です。三菱地所ホームでは、全館空調「エアロテック」による家づくりを各地のホームギャラリーで体感していただけます。
快適さにこだわって理想の我が家を手に入れたいなら、ぜひ一度ご相談ください。