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お金のこと | 2023.02.08

【2023年】戸建の太陽光発電はつけるべき? メリット・デメリットを検証

補助金太陽光発電光熱費

戸建を新築あるいはリフォームするにあたって、太陽光パネルを設置すべきか検討している方も多いのではないでしょうか。

太陽光発電を導入すると、光熱費の節減や環境保護への貢献といったメリットを得ることができます。しかし、太陽光発電をめぐる状況は年々変化しているため、最新情報をチェックしておくことが大切です。

そこで今回の記事では、太陽光発電の動向や費用相場、メリット・デメリットについて解説します。

1.これからの太陽光発電はどうなる?

まずは太陽光発電の現状とこれからの状況、大まかな費用感などを押さえておきましょう。戸建に太陽光発電をつけるべきかどうか検討する際、判断材料となる重要ポイントです。

1-1.東京都では太陽光パネルの設置義務化へ

東京都では、2030年までに温室効果ガス排出量を50%削減する「カーボンハーフ」の実現に向けて、さまざまな取り組みを実施しています。

そのうちの一つが全国初となる「新築一般住宅における太陽光パネルの設置義務化」です。2025年の施行を目指し、設置費用や維持・管理に関する検討、事業者への支援などが進められています。

また、今後は太陽光パネルの設置が広く義務化される可能性もあるため、東京都以外に在住している方も動向をチェックしたいところです。

1-2.住宅の太陽光パネルの容量は平均4.5kW

戸建住宅に太陽光パネルを設置した場合、あらかじめ一定の条件を満たす必要がありますが、余剰電力を電力会社に買い取ってもらう「売電」ができます。

売電価格はFIT制度(固定価格買取制度)で決められています。2020年に同制度が改正されたことにより、2019年以前は「10kW~50kW未満」の低圧太陽光発電なら全量売電ができましたが、現在は余剰売電のみ対象となっています。

住宅用の太陽光パネルは10kW以下とされており、住宅で太陽光パネルを設置している場合の平均容量は4.5kW。10kW以上だと発電所扱いになり、手続きやメンテナンスにも手間がかかってしまうというデメリットがあります。

1-3.売電価格は年々下降している

売電は太陽光発電における強みですが、売電価格自体は年々下がっています。

住宅用・10kW未満の場合、1kWあたりの売電価格は2022年で17円、2023年は16円です。下降が始まった2012年は42円なので、50%以上減少していることになります。

また、10kW以上の場合でも同様に下降している状況です。10kW~50kW未満の1kWあたりの売電価格は2022年で11円、2023年で10円。50kW以上では1kWあたり9.5円と、ついに10円を下回る価格となりました。

1-4.太陽光発電の設置にかかる費用の相場は?

売電価格は下降していますが、その一方で太陽光発電の設置費用も年々下がる傾向にあります。

厳密な価格はメーカーによって異なるものの、4.5kWの住宅用太陽光発電を設置する場合、2012年で200万円強の費用がかかったのに対し、2022年現在は100万円台で提案できる状況です。政府はこのような設置費用を鑑みて、売電価格を検討しています。

また、現在はソーラーパネルの品質も向上しているため、低コストで高性能の太陽光発電を設置しやすいこともポイントです。

2.補助金は活用できる?

2022年10月現在、太陽光発電の設置に関する国からの補助金は終了しています。しかし、地方自治体によって独自の補助金を設けているケースがあるため、それを活用したいところです。

たとえば、東京都は新築住宅の建築主に対して「東京ゼロエミ住宅助成事業」を実施しています。これは太陽光発電を設置する場合、数十万~数百万円の助成金が交付されるものです。

補助金制度によって条件は細かく異なるので、事前によく確認しておきましょう。

3.今、戸建に太陽光発電をつけるメリット

ここまで解説してきた現状に加えて、戸建に太陽光発電をつけるメリットを理解しておくことも大切です。設置費用を支払うだけの価値があるかどうか、以下の点を通じて確認しましょう。

3-1.光熱費を節減できる

太陽光パネルで自家発電すると、集めた電力を住宅用の電気として使えるようになります。売電価格が今度どうなるにせよ、自家発電によって電力会社から買う電気の量は減るため、結果として光熱費を節減できるのです。

電気代が年々上昇している今だからこそ、太陽光発電があると安心できます。設置費用はかかりますが、長期的な視点で見れば、光熱費を抑えられるというメリットのほうが大きいでしょう。

3-2.売電収入が得られる

先述したように売電価格は年々下がっていますが、それでも余剰電力から得られる売電収入は魅力的なメリットです。

住宅ローンを支払うだけではなく、一定の収入があることはうれしいポイントです。FIT制度によって少なくとも10年間の売電価格は決まっているので、太陽光発電を設置するならあらかじめよくシミュレーションしておきましょう。

3-3.緊急時に対応できる

台風や地震などの災害で停電になった場合でも、太陽電池モジュール・周辺機器・分電盤が故障していなければ、太陽光発電は問題なく稼働できます。自律運転機能が搭載されている場合、パワーコンディショナーの非常用コンセントに接続すれば、発電した電力を使って家電製品などを利用することが可能です。

未曾有の災害が増えている今、太陽光発電も含めて緊急時の備えがあれば、より安心できるでしょう。

3-4.環境に優しい暮らしができる

地球温暖化や大気汚染が叫ばれている今、自然エネルギーを使う太陽光発電を導入すれば、環境に優しいエコな暮らしを実現できます。自分から何か特別なことをする必要はなく、太陽光発電を設置するだけで環境に配慮できるので、その手軽さもメリットと言えるでしょう。

これから長年暮らすことになる新築一戸建てであれば、将来を考えても可能な限り環境保護に貢献できる住まいを建てたいですね。

三菱地所ホームのゼロエネルギー住宅(ZEH)について

4.戸建に太陽光発電をつけるデメリット

住宅用の太陽光発電にはメリットだけではなく、いくつかデメリットも存在します。メリット・デメリットの両方を理解したうえで、導入しても問題ないか、慎重に検討することが大切です。

4-1.発電量が天候に左右される

太陽光発電における発電量は、日照時間に左右されやすいので、完璧なシミュレーションができません。

しかし、最近は太陽光パネルの進化によって、日照時間が短くてもしっかり発電できるタイプも登場しています。さらに、蓄電池を活用すれば、天気の良い日に電気をチャージして、曇りや雨の日にその電気を使うということも可能です。

初期費用が少し高くなる可能性もありますが、発電量の安定を踏まえると、検討する価値はあると言えるでしょう。

4-2.メンテナンスの義務がある

太陽光発電は故障やトラブルが発生しにくい設備ですが、それでも風雨による劣化や経年劣化は避けられません。そのため、定期的なメンテナンスが必要ですが、当然ながら費用や手間がかかってきます。

依頼時は太陽光発電メンテナンス技士など、専門的な資格を有する技術者や販売店を探しましょう。もしメンテナンスを怠った場合、発電効率が低下するので、太陽光発電のメリットを活かせなくなってしまう恐れがあります。

4-3.ソーラーパネルが故障することもある

ソーラーパネルは災害や鳥類被害、初期不良などで故障してしまう可能性もあります。屋根の上に設置されている関係上、自分で確認することが難しいため、知らない間に壊れるケースも考えられるでしょう。

ソーラーパネルを長く使い続けるためには、やはり定期的なメンテナンスが欠かせません。ただ、長期の保証期間が用意されているものも多いため、購入時にきちんと確認しておくことが大切です。

5.ハウスメーカーの担当者に相談してみよう

戸建に太陽光発電を導入すると、光熱費の削減や売電収入といったメリットを得ることができます。ただし、屋根が北向きにある住宅や周囲に高い建物がある住宅など、太陽光発電に向かないケースも考えられるため、あらかじめ注意が必要です。

また、地域によっては補助金を利用できることもあるので、最新情報を入手するためにも、まずは建築の依頼を検討しているハウスメーカーに相談してみましょう。

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