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注文住宅 | 2022.12.22

住宅の断熱性能は何をチェックするべき? 最新情報や推奨レベルを紹介

住宅を購入するにあたり、断熱性能が気になっている人も多いでしょう。2022年から国の定める断熱等級が新設されたこともあり、断熱性能にさらに注目が集まっています。しかし、内容が専門的になるためどのように調べればいいのか難しく、調べるうちに混乱してしまうこともあるかもしれません。

そこで本記事では、断熱性能を調べる際にどこをチェックするべきか、最新情報から知っておくべきポイントを押さえて解説します。

1.断熱性能が高い家に住むメリット

断熱性能は、毎日の生活に大きな影響を与えます。まずは、断熱性能が高い家に住むことでどのようなメリットがあるか知っておきましょう。

1-1.一年中快適に過ごせる

断熱性能が高い家は、室温を快適な状態に維持しやすくなります。断熱性が高い状態であれば、夏の熱や冬の冷気が家の内部に伝わりにくくなるためです。室内の気温が外気温の影響を受けずに安定することで、夏は涼しく、冬は暖かい快適な住まいとなります。

ただし、住宅の断熱性能を最大限発揮するためには、気密性の高さも重要です。気密性とは、家の中の隙間の少なさを示す指標で、気密性が高いほど、エアコンで調節した空気が外に逃げることを防げます。

三菱地所ホームの家は、北海道レベルを上まわる断熱性と、次世代省エネ基準を超える気密性を実現。さらに全館空調「エアロテック」を導入することにより、部屋だけではなく、廊下や脱衣室といった冷暖房しづらい空間まで家中快適に過ごせます。

全館空調システム エアロテックについて

1-2.省エネできる

断熱性が高い家は、快適であるだけでなく、光熱費を抑えられることがメリットです。冷暖房で調節した空気を家の外に出さず、外気温の影響も受けにくいことから、室温を効率的に調整できるためです。

電気代の値上がりや地球温暖化への影響を考えれば、省エネできることがいかに大切であるかわかるでしょう。

1-3.健康を保つことができる

断熱性が高い家は、健康を保つことにも貢献します。

特に指摘されるのがヒートショックとの関連性です。ヒートショックとは家の中の温度差により、血圧や脈拍が急変動することで、脳内出血や心筋梗塞など、心臓や血管の疾患が起きる現象です。ヒートショックによる死亡事故は交通事故の5倍以上ともいわれており、家の中の温度差をなくすことは健康を保つ上で非常に重要です。

さらに高断熱の家は結露が発生しにくくなるため、カビやダニの発生も抑えられます。

2.2022年から断熱性能等級5以上を新設

断熱性能等級とは、住宅の品質確保の促進等に関する法律(品格法)に規定された、省エネ性能を示す等級です。日本ではこれまで断熱性能等級4が最高レベルでしたが、2022年4月に断熱性能等級5、10月に6と7が新設されました。

各等級の特徴は以下にまとめました。

等級1 特に規制なし。
等級2 1980年に制定された基準。昔の基準のため省エネ性能は低い。
等級3 1992年に制定。壁や天井に対して一定水準の断熱性能。
等級4 1999年に制定。「次世代省エネ基準」ドアや窓などの開口部も対象に
等級5 2022年4月に制定。ZEH基準相当。
等級6 2022年10月に制定。暖冷房にかかるエネルギー消費量を等級4と比較し、30%削減可能なレベルの性能。HEAT20のG2グレード相当。
等級7 2022年10月に制定。暖冷房にかかるエネルギー消費量を等級4と比較し、40%削減可能なレベルの性能。HEAT20のG3グレード相当。

これらの等級のどの基準を満たすかによって、補助金や住宅ローン減税の金額が変わります。今後の新築を建てる際には、断熱性能等級をしっかり確認することが大切です。

3.2025年以降は全新築住宅において断熱性能等級4以上を義務化

2025年以降は住宅省エネ法案が施行され、すべての新築住宅で断熱性能等級4以上が義務化されます。そのため、新しい住宅を購入する場合だけではなく、中古住宅を購入しようとする場合にも確認することが求められます。

2025年以降に断熱等級4以下の中古住宅を購入すると、既存不適格建築物となり、リフォームなどで大きな制約が生まれてしまうため、注意しましょう。

4.断熱性能はどこで確認できる?

とはいえ、断熱性能を知ろうとすると専門的な内容も多く、難しいと感じてしまうかもしれません。そこで、ハウスメーカーのパンフレットなどで断熱性能を確認する方法を解説します。

4-1.UA値が小さいほど断熱性が高い

断熱性能を調べる際には、まずUA値を確認しましょう。UA値とは、室内の熱がどのくらい外へ逃げやすいかを示す数値です。UA値の単位は「W/㎡・K」で、「外皮平均熱貫流率」ともいいます。

外皮とは、建物の外側に面する部分です。床、外壁、屋根、窓などの開口部が該当し、外に逃げる熱量とこの外皮部分の面積を割ったものがUA値です。

また、C値、Q値なども断熱性能に関係する数値です。C値とは隙間相当面積のことで、家全体の隙間の大きさを面積で示しています。数値が小さいほど隙間の面積が小さく、気密性が高いことを意味します。

Q値とは、熱損失係数を意味し、どれだけ熱が外に逃げるかを数字化したものです。こちらも数字が低いほど、断熱性が高いことを意味します。

4-2.UA値は6地域で基準値が異なる

UA値をチェックする際には、お住まいの地域も考慮する必要があります。2013年に制定された省エネ基準では、地域ごとに省エネ基準を満たす数字が異なります。

地域区分 主な地域 UA値 基準値
1 北海道 0.46
2 北海道、東北 0.46
3 東北、甲信越 0.56
4 中部、関東、北陸 0.75
5 関東、東海、近畿、四国 0.87
6 東海、近畿、四国、中国 0.87
7 九州 0.87
8 沖縄県

都道府県内でも、地域によって区分が変わります。詳細を知りたい場合は以下のサイトよりご確認いただけます。

住宅に関する省エネルギー基準に準拠したプログラム

4-3.建築士による説明義務が導入されている

2021年4月以降から、省エネ性能の説明義務制度が導入され、建物の断熱性能を含む省エネ性能について建築士から建築主に説明することが義務化されるようになりました。

断熱性能についてわからないことがあれば、建築士やハウスメーカーの担当者に相談してみましょう。

5.断熱性能が高い家にするための工夫

次に、断熱性能を高めるために取り入れたいポイントについて解説します。

5-1.窓や玄関扉を断熱性の高いものにする

窓や玄関扉を断熱性が高いものにすると、断熱性能を向上させることができます。家の中で熱の出入りがもっとも大きいのが窓をはじめとした開口部です。夏は74%、冬は50%の熱が開口部から出入りしてしまいます。

窓であれば、断熱性能の高いペアガラスやトリプルグラスにする、遮熱効果の高いLow-E膜をコーティングしたものにする、二重サッシを取り入れるなどの方法が挙げられるでしょう。玄関扉も断熱性が高いものを選ぶと、さらに断熱性能の向上が期待できます。

5-2.壁・天井(屋根)・床に断熱材を入れる

壁・天井(屋根)・床にしっかりと断熱材を入れることも、断熱対策としては大切です。窓など開口部からも熱は入りますが、外壁や屋根から入ってくる熱も、屋根で11%、外壁で7%と小さくありません。

天井に断熱材を敷き込んだり、断熱材を壁に充填したりする方法があります。断熱材は種類や性能がハウスメーカーによっても違うので、確認しておきましょう。

5-3.リフォームで断熱性を高めることも可能

断熱性能を高める工事は新築時だけでなく、リフォームでも可能です。壁の断熱工事の場合は壁を解体するなど、大掛かりな工事が必要になりますが、窓や扉の工事であれば、それほど難しくありません。

窓を高性能なものに取り替える、内窓をプラスするという方法でも、断熱性をぐっと高めることが可能です。断熱性を高めるリフォームは一定水準を満たせば、省エネ減税や住宅ローン減税の対象になる場合もあるため、ぜひチェックしておきましょう。

6.ハウスメーカーに断熱性能を確認しよう

断熱性能が高い家を求めるのであれば、早めの段階でハウスメーカーに話を聞き、断熱性能を比較することが大切です。

三菱地所ホームでは断熱性・気密性の高さに加え、全館空調を採用しており、いつでも快適かつ省エネな住環境をつくることが可能です。住宅の断熱性や気密性にこだわる方は、ぜひ一度ご相談ください。

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