新築で戸建てを建てるとき、シアタールームを自宅に導入したいという方も多いのではないでしょうか。しかし、シアタールームは通常の部屋とは違い、音への配慮が必要になります。間取りの工夫や住宅設備の仕様を変更する必要があり、費用も高額になりがちです。ここでは、シアタールームの防音対策や費用について解説します。
1. シアタールームとは
シアタールームとは自宅内の一室に映画館のような設備がある部屋で、映画や音楽を楽しむ目的のためだけに作られた贅沢な空間です。映画の没入感が高く、より一層映画や音楽に夢中になれる空間ができます。しかし、そのための部屋を1区画確保する必要があり、難しいこともあるかもしれません。映画を楽しむという目的だけであれば、リビングシアターという方法も選択肢の1つです。リビングシアターの場合、リビングにホームシアターの設備を備えています。この場合スクリーンやプロジェクターが天井などに収納してあり、必要に応じて出し入れ可能になっており、場所を取らないよう配慮されていることが多いです。家族で映画などを楽しみやすく、ホームシアターの利用頻度も高くなるでしょう。
シアタールームを作りたい場合、シアタールームを個別で設けるかリビングシアターの形にするのかどちらの方法がよいか自宅の規模や用途に合わせて選択するのがおすすめです。家族みんなでわいわいと映画を楽しみたいならリビングシアター、映画の世界観に没頭したいならシアタールームを選ぶとよいでしょう。
2.シアタールームに必要な設備や機材
シアタールームに必要なものは、以下の設備です。
- プロジェクター
- スクリーン
- スピーカー
ホームシアターのプロジェクターは、4K映像が楽しめるプロジェクターがおすすめです。画質が高く、きれいな映像が楽しめます。設置の仕方はテーブルなどに置く卓置きと、天井に吊るせる天吊りの2種類です。天吊りの場合部屋のスペースを取りません。ただし、適切に設置できていないとホームシアターが落下する危険があるため、取り付け工事が必要です。
スクリーンは部屋の大きさから考える必要があり、大きすぎると画面が近すぎてしまいます。無理なく楽しむためには、画面の横幅の1.5倍以上の距離が必要です。たとえば8畳ほどの広さのシアタールームであれば80インチの大きさがあればよいでしょう。またスクリーンなしで壁紙に直接映す場合、凸凹があることで画面に線が入ってしまいます。きれいに映像が映せないことがあり、おすすめできません。
映画館のようなサウンドを求めるなら、スピーカーは5.1chシアターセットがおすすめです。5.1chとは、スピーカー5つ、サブウーファー1つ設置し、周囲を囲うように設置された構成の設置方法です。前後左右から音が聞こえるため、より臨場感がある映画や音楽を楽しめるでしょう。
3.シアタールームはどこに配置する?
シアタールームは、間取りをどのようにするかを考える必要があります。どれほど防音対策をしても、隣接している部屋なら音漏れする可能性があるためです。低音域の音は防音設備を施していても遮断しにくいため、音が問題になる可能性が高い寝室や、隣の家に近い場所は避けた方がよいでしょう。リビングの近くや2階であれば吹き抜けの隣がおすすめです。また、こちらのホームギャラリーのように地下室にシアタールームを作ってもよいでしょう。
3階建であれば、1階に客間とシアタールーム、2階にリビングや水廻り、3階に寝室という間取りもおすすめです。シアタールームは光が邪魔になることもあるため、照明や遮光にこだわって位置関係を決めるのもよいでしょう。
4.シアタールームを作るときに必要な対策
シアタールームは、環境にこだわる必要があるうえ、周囲への影響を考える必要があります。ここではシアタールームを作るときに考えるべき必要な対策について解説します。
4-1.音環境
音環境にこだわる場合、スピーカーや防音性に加え、吸音材にこだわる必要があります。室内で映画を見ると、音が壁や床、天井に反響し、混ざりあいクリアな音質となりません。音質を上げるなら、適切な場所に吸音素材を設置することが欠かせません。音環境のこだわりを実現させるためには、住宅設備の知識だけではなく、音に関する知識も必要です。用途によって、最適な設置場所が変わるため、ハウスメーカーへの相談をおすすめします。
4-2.防音対策
シアタールームを存分に楽しむためには、防音対策が欠かせません。遮音材を使うだけでは、窓や扉の隙間から音が漏れてしまう可能性があります。扉は厚手のものするなどの対策をしましょう。専用室は窓がない場合もありますが、リビングだと窓もあるため、二重サッシやペアガラス、厚いガラスを設置するとよいでしょう。音は窓から漏れてしまいやすいため、窓は重点的な対策が必要です。地下室にシアタールームを作る場合は窓が不要なため、防音性が高い部屋を作りやすいでしょう。また、音質にこだわるなら、エアコンの音などへの対策もしておくと、より快適な空間になります。
4-3.換気計画
シアタールームは防音性にこだわるため、気密性が高い空間が求められます。その場合、快適な空間を実現させるためには、換気計画が必要です。換気がうまくできていないと、室内の居心地が悪くなり、健康に問題が発生する可能性もあります。
換気と防音性にこだわるなら、三菱地所ホームのエアロテックがおすすめです。エアロテックは、1台の室内機で24時間365日、家の中全体を清潔かつ快適な室温を維持する全館空調システムです。三菱地所ホームの注文住宅であれば、地下室であっても全館空調に対応しているため、室内機一台でシアタールームを含めた全ての部屋を快適な空間を維持でき、おすすめです。
5.シアタールームの設置にかかる費用
シアタールームの設置には、機材だけではなく、最適な音環境や防音性を備えるために、ある程度の費用がかかります。設置環境にもよりますが、6帖でだいたい200万円~300万円ほどが標準施工費として必要です。実際の費用は、防音性能や導入したい機材によっても変わるのでハウスメーカーに確認しましょう。
また、シアタールームに必要な機材に加え、プロジェクターやスクリーン、スピーカーなどの費用も別途見積もりしなければいけません。プロジェクターを天吊りにする場合、そのためのスペースや設置方法を検討する必要があるため、施工費も別途でかかります。天吊りの場合、天井に固定のための下地が必要になることもあるため、設置場所の検討もしておきましょう。
6.シアタールームの設置事例
こちらの住宅は、家族に気兼ねなく、映画や音楽を楽しみたいという要望から作られました。シアタールームは防音性にこだわり、機密性が高い空間となっています。そのため、音が外に漏れる心配はほとんどありません。
三菱地所ホームのエアロテックによる全館空調により、空気もきれいで快適な環境となっています。この部屋はある程度の広さもあるため、休日などは家族全員でDVDも楽しめます。シアタールーム以外にも、外観の個性的なアプローチの曲線など、独創的なデザインも特徴的です。家の中に螺旋階段を作り、広くて印象的な玄関になるようこだわっています。
7.シアタールームで趣味に没頭できる時間を
シアタールームの設置は、設備や施工も必要になるため、ある程度の費用がかかります。しかし、趣味に夢中になれる空間が手に入るという点で、かけがえがない時間が手に入るでしょう。
三菱地所ホームはシアタールームの設計施工実績があり、シアタールームがあるホームギャラリーの見学も可能です。来場予約をすれば、気になることや知りたいことを担当者に伝えられ、お部屋のこだわりや様子がわかります。ぜひ、シアタールームの様子をご確認ください。
シアタールームのあるモデルハウス