注文住宅は自由度が高く、自分の希望やこだわりを設計に反映できます。一方、契約の締結から新生活のスタートまで、どれくらい期間がかかるのか気になる方も多いのではないでしょうか。
また、注文住宅を購入する場合、各種手続きや工事の流れも把握しておきたいところです。
今回の記事では、注文住宅を購入するまでの流れをステップ別にレクチャーしつつ、費用相場や支払いのタイミング、住宅ローンの流れや注意点について解説します。
1.新築注文住宅を購入するまでの流れとは?引き渡しまでにかかる期間
「注文住宅を建てたい」と決めてから建物の引き渡しが完了するまで、おおよそ1年~1年半ほどの期間がかかるといわれています。ただし、施主の状況やプランの内容によってスケジュールは変動しやすく、2~3年かけて家づくりを進める方もいるため、あくまで目安の期間です。
注文住宅を購入するためには、以下のような3段階のステップを踏む必要があります。
1. ハウスメーカーを決めて「契約」を締結する
2. 内装やエクステリアについて「打ち合わせ」を行なう
3. 建物の「工事」を依頼する
3段階のステップを完了することで、初めて注文住宅での新生活をスタートできるようになります。そのため、各ステップの流れを理解しておくことが大切です。
特にハウスメーカー選びや土地探しは、人によって時間がかかる可能性もあります。「注文住宅についてじっくり検討したい」「スケジュールに余裕を持たせたい」という方は、なるべく早めに情報収集を始めると安心できるでしょう。
2.注文住宅を契約するまでの流れ(6ヶ月〜1年)
注文住宅を契約するまでの流れは、以下の通りです。
・ カタログ請求やモデルハウスの見学で情報収集
・ 土地を探す
・ 基本プランや資金計画を作成
・ 敷地調査と地盤調査を実施
・ 調査結果から基本設計を決定
・ 見積もりを確認してハウスメーカーと契約
最初のステップが特に重要なので、きちんと押さえておきましょう。
2-1 カタログ請求やモデルハウスの見学で情報収集
注文住宅を建てるにあたり、最初にやるべきことは情報収集です。ハウスメーカーのホームページからカタログ請求したり、無料相談を申し込んだりするなど、まずは家づくりに必要な情報を集めましょう。
さらに、モデルハウスなど実際に建てられた住宅を見学することで、注文住宅のイメージが膨らみやすくなります。
なお、ハウスメーカーによって注文住宅の特徴や強み、木造・鉄骨造・鉄筋コンクリート造といった構造にも違いがあるため、入念に確認すべきポイントです。
また、複数のプランから選択する「規格住宅」やフルオーダーができる「完全自由設計」など、注文住宅の種類によって自由度は変わってくるので、それも踏まえて複数のハウスメーカーを比較検討しましょう。
2-2 土地を探す
もし建築予定の土地が決まっていない場合、情報収集の次にやるべきことは土地探しです。立地条件・広さ・形状・金額といった条件を確認しつつ、不動産情報サイトなどで希望に合う土地を探しましょう。
「いくらぐらいの土地を購入すべきかわからない」という方は、ハウスメーカーに相談することを推奨します。土地と建物を合わせた総額を踏まえつつ、施主の予算に応じて土地探しを手伝ってくれるためです。
また、ハウスメーカーなら希望に合う土地が見つかった場合、その土地で理想の注文住宅を建築できるかどうか調べるため、建築制限のチェックも実施してくれます。
さらに、ハウスメーカー自身が土地の情報を持っているケースも多いため、気軽に聞いてみましょう。
2-3 基本プランや資金計画を作成
土地が決まって依頼するハウスメーカーも数社に絞ったら、次は基本プランや資金計画の作成に進みます。注文住宅の大まかな設計プランと概算見積もりから資金計画を立てることで、建築できる建物の形や性能、諸経費の内訳や住宅ローンの返済の見通しなどが見えてくるでしょう。
また、このタイミングで住宅ローンの事前審査(仮審査)にも申し込みます。年収や借入希望額に基づいて返済能力がチェックされますが、審査機関は1~3日、長くても1週間程度です。
なお、ハウスメーカーによって設計の自由度や得意な工法、注文住宅を建てる際の金額は大きく異なるので、相見積もりをとって比較検討しましょう。
2-4 敷地調査と地盤調査を実施
基本プランや資金計画を作成したら、より詳細な設計を行うための準備として敷地調査と地盤調査を実施します。
敷地調査とは、測量によって立地環境や敷地の面積・形状、水道や電気といったライフラインを調べるものです。建ぺい率・容積率・斜線制限など、法規制の確認も併せて行います。
一方、地盤調査は住宅を建てるための土地の強度を測るものです。こちらは法律で義務付けられており、建物の重量に耐える力や沈下に耐える力があるかを調査します。
地盤調査の結果によっては、地盤改良が必要です。地盤改良にかかる費用の目安は、以下の通りです。
・ 表層改良工法 30~50万円
・ 柱状改良工法 50~80万円
・ 鋼管杭工法 100~180万円
(2階建て床面積30坪程度の想定)
このように土地の条件や建物プランによって工事の種類が分かれており、費用も変動するので、事前にきちんと確認しましょう。
2-5 調査結果から基本設計を決定
敷地調査と地盤調査が終わったら、その調査結果に基づいて綿密な設計プランを検討します。ハウスメーカーの担当者から以下のようなポイントで提案を受けるので、それぞれ入念に確認しましょう。
・ 間取り
・ 内装・外装の仕上げ
・ 設備機器類
・ エクステリア(外構)
提案された内容に問題がなければ、より詳細な設計プランと見積もりを作成してもらいます。注文住宅の契約を締結すると間取りなどは変更が難しくなるため、このタイミングで自分の希望がしっかり反映されているか確認することが大切です。
2-6 見積もりを確認してハウスメーカーと契約
見積もりを確認して問題が無かったら、ハウスメーカーから法律で義務付けられた重要事項の説明を受けます。重要事項を明記した書類に沿って説明が行われるので、担当者の話にきちんと耳を傾けつつ、少しでも気になる点があるなら遠慮せず質問しましょう。
説明された内容に納得できたら、ハウスメーカーと工事請負契約を締結します。契約の際にも約款など重要書類を確認する必要があるため、しっかり目を通したいところです。
また、このタイミングで住宅ローンの本審査も受けましょう。本審査では、契約者の健康状態や信用情報なども含めて厳格にチェックされるので、1~3週間程度の審査期間を要します。
3.注文住宅の契約後の流れ(2〜3ヶ月)
注文住宅の契約を締結したら、着工まで次のような流れで進みます。
・ 建物の詳細設計の打ち合わせ
・ エクステリアの打ち合わせ
・ 着工合意
それぞれ詳細をまとめました。
3-1 建物の詳細設計の打ち合わせ
契約に関する手続きが完了したら、建物の詳細な設計プランについてハウスメーカーと打ち合わせを行います。細部まで決める必要があるため、以下のようなポイントに対して自分の希望やこだわりを漏れなく伝えることが大切です。
・ 窓のサイズや位置
・ 内部建具
・ 収納の機能や位置
・ スイッチ・コンセントの位置
さらに、内装・照明・家具といったインテリアの選定も行う必要があります。「どのようなデザインが良いのかわからない」という方は、インテリアコーディネーターなどの専門家に相談すれば、最適なデザインやレイアウトを提案してくれるでしょう。
この際に好きな部屋のイメージ写真などを提示すると、理想のイメージを共有できるので、打ち合わせもスムーズに進みます。
3-2 エクステリアの打ち合わせ
建具や内装など建物部分に関する打ち合わせが済んだら、次はエクステリア(外構)の詳細な打ち合わせを行います。門・塀・アプローチ・庭といったエクステリアは「家の顔」とも呼べる部分なので、じっくり検討したいところです。
なお、エクステリアの工事に関して「別の施工会社に頼みたい」という方もいますが、建物部分と一緒に設計・施工したほうが一体感を出せるので、洗練された印象になります。ハウスメーカーにセットで依頼すれば、問い合わせ先を1ヶ所にまとめられるため、打ち合わせも進めやすくなるでしょう。
エクステリアの設計プランが固まったら、建築確認申請に向けて図面や仕様を決定します。
3-3 着工合意
建築確認申請の許可が下りたら、工事の準備がスタートするので、ハウスメーカーと工事内容やスケジュールのすり合わせを行い、着工に合意します。最終的な見積もりが確定するため、設計プランや支払い条件を改めて確認しましょう。
なお、着工合意後はやむを得ない事情を除き、基本的に設計プランの変更は認められません。ハウスメーカーや施工会社の好意で変更できるケースもありますが、追加費用を請求される可能性が高いので、原則変更不可と認識しておきましょう。
4.注文住宅の着工から入居までの流れ(4〜6ヶ月)
注文住宅の着工から入居までの流れは、以下の通りです。
・ 着工と地縄確認
・ 基礎工事
・ 上棟確認
・ 造作工事・仕上げ工事等
・ 竣工確認
・ 引越し・入居
施主が直接関与しない部分もありますが、それも含めて把握しておきたいところです。
4-1 着工と地縄確認
着工合意が済んだら、施主立ち合いのもと建物が建つ位置をチェックする地縄確認を行います。麻紐やビニール紐を使って建物の位置が描かれるため、敷地面積に対する建物の割合をイメージできるでしょう。
また、着工にあたって地鎮祭を執り行うことも可能です。工事の無事を祈願してもらうことで、ハウスメーカーや施工会社との信頼関係向上につながります。
工事中は騒音などが発生するため、あらかじめ近隣に住む方々への挨拶まわりも行っておきましょう。
4-2 基礎工事
地縄確認や挨拶まわりが終わったら、家を支える基礎工事がスタートします。基礎は底盤・立上り・地中梁・杭などで構成された家づくりの土台であり、建物と地盤をつなぐ重要な部分です。
基礎には建物の重量や地震の揺れによる力を建物から地盤へ伝えつつ、建物の一部だけが沈んでしまう「不同沈下」を防ぐ役割があります。
なお、基礎工事は地盤調査の結果に基づき、その土地に適した工法が採用されます。
4-3 上棟確認
基礎工事が完了したら、次は上棟です。上棟とは、柱や梁といった建物の基本構造を組み立てたうえで、屋根の最上部に棟木(むなぎ)という建材を取り付けることを指します。
上棟によって構造躯体が完成したら、現地にて上棟確認を行います。照明やスイッチの位置に関する説明もあるので、しっかり聞いておきましょう。
また、上棟終了後は任意で上棟式を行うことも可能です。ここまでの工事が無事進んだことへの感謝を伝えつつ、今後の工事の無事を祈願します。
4-4 造作工事・仕上げ工事等
構造躯体が完成して上棟確認も終わったら、屋根工事やサッシ工事を行います。その後、中間検査をクリアできれば、外装取り付け工事や内装仕上げ工事に進むという流れです。
外装取り付け工事では、以下のような工事が行われます。
・ 電気工事
・ 断熱工事
・ 外壁工事
・ 床下地工事
一方、内装仕上げ工事の内容は、以下の通りです。
・ クロス貼り
・ フローリング・タイル貼り
・ 建具設置
・ 照明工事
・ 設備の取り付け(システムキッチン・ユニットバス・トイレなど)
4-5 竣工確認
各種工事が完了したら、次は竣工確認です。建築確認申請の際に作成した図面をもとに、工事責任者が建物の構造や設備などが図面通りになっているか入念にチェックします。
また、検査機関による竣工検査も実施されるので、施主と設計担当者が立ち会って仕上がりを確認する必要があります。
4-6 引越し・入居
竣工確認・竣工検査が完了したら、設備や建具に関する説明を受けます。その後、工事用キーが施主専用キーに変更されるので、物件の引き渡しに関する手続きを進めましょう。
物件の引き渡しが完了すれば、施主は好きなタイミングで引越しできるようになります。すぐ入居したいなら、荷造りや各種手続きを早めに済ませておきましょう。
また、工事が一通り終わったタイミングで改めて近隣住民に挨拶しておくと、今後のご近所付き合いもスムーズになります。
5.注文住宅にかかる費用相場
注文住宅を建てる場合、大まかな費用相場も把握しておきたいところです。
国土交通省住宅局が公表している「令和4年度住宅市場動向調査報告書」によれば、注文住宅の全国平均価格は令和4年時点で3,866万円延床面積は123.5㎡(約37坪)となっているため、坪単価換算だと約104万円です。
上記の坪単価を基準にすると、30坪程度の住宅を建てたい場合は約3,120万円、40坪程度の住宅を建てたい場合は約4,160万円かかることになります。ただし、建物の構造や取り入れる設備、仕上材などによって価格は大きく変動するため、あくまで目安として覚えておきましょう。
価格を押さえたい場合、設備や仕上げ材のグレードを下げたり、床面積を少し削ったりするといった工夫が必要です。
なお、土地の取得費用に関しては、全国平均が1,819万円となっています。先述した注文住宅の全国平均価格を加えると、合計5,685万円です。
土地の有無によって住宅ローンの組み方も変わってくるので、土地を持っていない方は土地の価格データもチェックしておきましょう。
6.注文住宅の購入で支払いが必要になるタイミング
注文住宅は多くのステップを経て購入することになるので、支払いのタイミングも複数回到来します。ハウスメーカーによって支払い回数と費用の負担割合は異なりますが、入居するまで3~4回に分けて支払うケースが一般的です。
例えば、支払い回数が4回の場合、以下のようなタイミングで支払うことになります。
・ 工事請負契約(本契約)の締結時:建物代金の約5~10%
・ 着工時:建物代金の約30%
・ 上棟時(構造躯体の完成時):建物代金の約30~40%
・ 物件の引き渡し時:建物代金の約30%
注文住宅の建築を滞りなく進めたいなら、あらかじめハウスメーカーに「どのタイミングで」「いくらぐらい支払うのか」を確認しておくことが大切です。また、住宅ローンを組む際にも上記のタイミングを考慮しておきましょう。
7.注文住宅を建てる際の住宅ローンの流れとは?
注文住宅を建てる際に住宅ローンを利用する場合、土地を保有しているかどうかで流れが大きく変わってきます。さらに、土地なしの場合だと住宅ローンの組み方で2つのパターンに分岐するため、それも押さえておきましょう。
7-1 【土地あり】建物のみで住宅ローンを組む場合
すでに注文住宅用の土地を保有している方は、建物の建築費に対してのみ住宅ローンを組むことになります。新たに土地を購入する必要がないため、設計プランが決まってから建物の工事請負契約を締結する前に、住宅ローンの事前審査を受けることが可能です。
なお、住宅ローンの融資が実行されるタイミングは物件の引き渡し完了日です。そのため、頭金・手付金・着工金・中間金など、融資実行前に支払う必要がある費用に関しては、自己資金で賄わなければなりません。
もし自己資金が足りない場合、救済措置として「つなぎ融資」を利用することもできます。
つなぎ融資とは、住宅ローンの融資実行までに必要となる資金を一時的に借り入れるローン商品です。これを利用すれば、自己資金が少なくても注文住宅を購入できるようになります。
ただし、つなぎ融資は住宅ローンより金利が高いうえ、個別でローン契約を締結しなければならないので、手数料などが追加でかかってきます。また、住宅ローン控除(住宅ローン減税)が適用されない点にも注意しましょう。
7-2 【土地なし】土地+建物を一本化して住宅ローンを組む場合
土地を保有していない方は、土地取得費も含めて資金を借り入れる必要があります。土地取得費と建築費を一本化して住宅ローンを組むパターンであれば、申し込みの手続きや毎月の返済がシンプルです。
土地なしの場合、設計プランと土地が決まった段階で住宅ローンの事前審査を受けることになります。その後、土地の売買契約・引き渡しを済ませたうえで、工事請負契約の締結および本審査に進むという流れです。
住宅ローンの融資実行日は、土地ありの場合と同じく物件の引き渡し完了日になります。基本的に住宅ローンの対象は建物の建築費のみですが、土地の購入目的が「住宅を建てるため」である旨を証明できるなら、土地購入費に対しても融資を受けることが可能です。
なお、住宅ローンを一本化する場合、土地探しはハウスメーカーと一緒に行うことをおすすめします。よりスムーズに価格交渉や各種手続きを進められるため、施主側の負担を減らせるでしょう。
7-3 【土地なし】土地+建物でそれぞれ別の住宅ローンを組む場合
土地なしの場合、土地取得費と建築費でそれぞれ別の住宅ローンを組むパターンもあります。いわゆる「二本立て」と呼ばれる組み方であり、土地購入時と注文住宅購入時の2回にわたって融資を受けることが可能です。
ニ本立ての場合、設計プランと土地が決まったら土地のローンの事前審査に加えて、建物のローンの事前審査も別途受けることになります。その後、土地のローンだけ本審査に進み、通過したら土地の売買契約とローン契約を締結するという流れです。土地が引き渡された段階で融資が実行されます。
一方、建物のローンの本審査に進むタイミングは工事請負契約の締結後です。工事が一通り完了し、建物が引き渡される際に融資が実行されます。
住宅ローンを二本立てで組めば、土地購入費を早い段階で受け取れるため、自己資金が少なくても注文住宅を建てることが可能です。ただし、手続きや審査の手間が増えるというデメリットもあります。
8.注文住宅購入に必要な書類
注文住宅を購入する場合、さまざまな書類を用意しなければなりません。主な必要書類をリストアップしたので、ぜひご確認ください。
【住宅ローンの事前審査をするとき】
・ 事前審査申込書
・ 本人確認書類(運転免許証、健康保険証、マイナンバーカードなど)
・ 収入証明書源泉徴収票(給与所得者の場合)
・ 確定申告書類
・ 給与所得者:源泉徴収票
・ 個人事業主および確定申告を行っている方:確定申告書、同付表、納税証明書
・ 物件の書類(公図、実測図、間取り図など)
・ その他(住宅ローン以外のローン契約書類など)
【工事請負契約を締結するとき】
・ 工事請負契約書
・ 工事請負契約約款
・ 設計図書
・ 仕様書
・ 工事費見積書
ハウスメーカーからも必要書類のアナウンスがあるので、その内容に沿って用意しましょう。
9.注文住宅を購入するときの注意点
注文住宅を購入する場合、以下のような点に注意しましょう。
・ 入居希望日から逆算して計画を始める
・ 土地探しは早めにスタートする
・ 無理のない資金計画を立てる
・ 優先順位を決めて打ち合わせを進める
・ 自分に合ったハウスメーカー・工務店を選ぶ
・ アフターケアがあるかどうか確認する
注意点の詳細も解説します。
9-1 入居希望日から逆算して計画を始める
「2人目の子どもが生まれたら」「子どもが小学校に入学するまでに」など、人によって注文住宅に入居・引越しをしたいタイミングは異なります。
そして、注文住宅は購入を検討してから完成するまで2~3年ほどかかるといわれています。情報収集・設計・契約・工事といった多くのステップを完了する必要があるため、入居希望日から逆算して具体的な計画を立てることが大切です。
注文住宅へスムーズに入居したいなら、遅くとも入居希望日の1年前には準備を始める必要があります。「じっくり時間をかけて検討したい」という方は、余裕を持って2~3年前くらいから情報収集をスタートしましょう。
9-2 土地探しは早めにスタートする
自分の希望条件にマッチする土地を探すことは難しく、タイミングや不動産仲介業者の腕に大きく左右されるため、土地探しに難航している方も少なくありません。良い土地を購入したいなら、なるべく早めに土地探しをスタートすることが大切です。
立地条件・広さ・形状・金額などの希望条件を100%満たす土地は見つかりにくいので、絶対譲れない条件とある程度妥協できる条件を書き出したうえで、できるだけ理想に近い土地を探しましょう。早めに土地探しを始めると、その分だけ出会える物件の数も増えるため、積極的に情報収集を行いたいところです。
ただし、土地の選択肢が多くて決めきれないケースもあるので、土地探しの期限を決めることも重要となります。
9-3 無理のない資金計画を立てる
住宅ローンの借入可能額は、自分の年収から算出できます。しかし、借入可能額はあくまで上限金額であり、無理なく返済できる金額とは限らないため、あらかじめ注意が必要です。
自分の希望やこだわりをすべて設計プランに反映しようとすると、その分だけ建築費も高騰しやすくなります。予算をオーバーすると、住宅ローンの返済で家計が圧迫されかねないため、無理のない資金計画を立てることが大切です。
また、注文住宅を建てた後も固定資産税や都市計画税、メンテナンス費用といったランニングコストがかかってきます。そこに月々の返済額が加わるため、将来支払う費用のことも考慮しつつ、生活費や教育費を確保できるように調整しましょう。
9-4 優先順位を決めて打ち合わせを進める
クロスの色や設備の種類といった仕様を決める際、多くの選択肢が出てくるので、打ち合わせに時間がかかってしまうケースもあります。また、グレードの高い内装や設備を選ぶと、建築費が大きく上がってしまう可能性もあるため、何を優先すべきか打ち合わせ前に家族で話し合っておくことが大切です。
あらかじめ優先順位を決めておけば、希望やこだわりを反映する際に取捨選択しやすくなるので、打ち合わせをスムーズに進めることができます。さらに、予算や資金計画も融通が利きやすくなるため、まさに一石二鳥です。
間取り・家事動線・収納量・デザインといったポイントを踏まえつつ、具体的な希望条件を並べて検討しましょう。
9-5 自分に合ったハウスメーカー・工務店を選ぶ
ハウスメーカーによって住宅の特徴や設計の自由度は異なるため、自分が建てたい注文住宅を実現できるかどうかが重要ですが、それに加えて相性も確認したいところです。先述の通り、注文住宅は完成するまで2~3年程度かかるので、ハウスメーカーとの相性が悪いと、家づくりにも悪影響が生じかねません。
そして、注文住宅の完成後もアフターケアなどを通じて、ハウスメーカーとの付き合いは続きます。良好な関係を構築するためにも、以下のようなポイントから相性の良し悪しを見極めましょう。
・ 気軽に話しやすい雰囲気がある
・ 電話やメールでこまめに連絡をくれる
・ 提案内容が具体的でわかりやすい
また、ハウスメーカーの受注実績や口コミ評価をチェックすることも大切です。
9-6 アフターケアがあるかどうか確認する
注文住宅は建てて終わりではなく、入居して住み始めることが家族にとっての始まりになります。今後も日常生活に欠かせない拠点となるため、長く安心して暮らせるようにアフターケアが充実しているハウスメーカーを選びたいところです。
例えば、定期点検やメンテナンスのサービスがあると、建物や外構の劣化をチェックしつつ、必要に応じて補修もしてくれるので、住宅性能を維持しやすくなります。ハウスメーカーを選ぶ際はアフターケアの内容を担当者に確認するか、あるいはホームページなどでチェックしましょう。
10.計画的に進めて理想のマイホームを建てよう
注文住宅は実際に入居できるまで2~3年程度かかるので、中長期的な視点で準備を進める必要があります。人によっては土地探しやハウスメーカー選びで時間がかかるケースもあるため、早めに情報収集を始めてスケジュールに余裕を持たせたいところです。
三菱地所ホームでは、土地探し・資金計画・設計・工事などのサポートはもちろん、家づくりのご相談や無料設計相談も受け付けています。完全自由設計の魅力を体感できるモデルハウスにも、ぜひ一度ご来場ください。