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日本人の心に根付く、鍛鉄の文化

ロートアイアンと日本は、建築でも上手く融合できる

明治維新によって、西洋文化を取り入れた日本。当時、ロートアイアンが施された建築物も多数あったという。しかし、太平洋戦争の最中、鉄は軍事のよって人々の生活から消えてしまう。それから戦争が終わり、日本は高度成長期へと移り変わる。さまざまな建築ラッシュが起こる中、日本は鉄よりも加工が安易なアルミが使用されるようになった。また、ヨーロッパほどセキュリティ面が求められなかったことも、鉄の使用が少なくなった理由といえる。時代の中で、鉄と距離が離れてしまった日本。しかし、ロートアイアンと日本は、建築でも上手く融合できると松井氏は話す。「ロートアイアン自体は、ヨーロッパ独特のものです。しかし、日本にとって鉄自体は、昔から馴染みがあります。ですから、家屋と鉄の相性も意外と合うのですよ。ここで考慮しなければならないのがデザインです。我々は「和モダン」というシリーズを提唱しています。日本スタイルの門扉や格子など、日本式となると格子模様や東京オリンピックのエンブレムにもあるような市松模様を模ったり、石庭の模様や竹といった自然のものを鉄で表現したりといった作品も手がけています。これらの作品は『ジャパニーズ・モダン』と名付けられとても人気がありますよ。」

鉄ならではの落ち着きある重厚感を醸し出すロートアイアン
磨き上げた繊細なデザインや塗装の技術が、ロートアイアンにも受け継がれています

御田製作所がロートアイアンの製作で大切にしていることは、洗礼されたデザイン。じつは御田製作所は、釦(ボタン)の製造会社として歩み始めた。卓越されたデザインは高い評価を受け、天皇家にも釦を納めていたという。「御田製作所のロゴにも、釦のデザインがあしらわれているように、我々の出発は釦の製造から始まりました。そこで磨き上げた繊細なデザインや塗装の技術が、ロートアイアンにも受け継がれています」と松井氏は話す。美と性能の融合物・ロートアイアンに必要な要素を、御田製作所は創業60年以上の歴史から培ってきた。

鉄ならではの落ち着きある重厚感を醸し出すロートアイアン
Takao Matsui│松井 隆雄
Takao Matsui│松井 隆雄

幼少期より欧米諸国で育つ。英国のパブリック・スクールでは、ロートアイアン に囲まれながら寄宿舎生活をおくり鉄のある風景が好きになる。 日本の大学を卒業後、大手メーカー、外資系コンサルティング会社にて経営コンサルタントとして M&A、組織戦略、人事設計等、数多くのグローバルプロジェクトを手がける。日本を変えていく一役を担いたいと御田製作所に参画。自らの海外経験を活かし、アイアンによる風景作りや街づくりの提案を数多く行っている。

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