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オーダーグラン

ロートアイアンが豊かな生活のエッセンスに

お客さまの意見を何度も聴き、形にしていく。まさにお客さまのイメージに寄り添う作業

ロートアイアンは、型の中に熱した鉄を流し込み製作するが、一つとして同じものはでき上がらない。まさに自分だけの“作品”を手に入れることができる。それだけに、ロートアイアンを求めるお客さまのこだわりも強い。「これから何十年も使うものを提供するので、納得いくものをお求めいただければと思っています。最近は技術が進み図面を簡単に引けますが、一番わかりやすいのは手に取り感じてもらうこと。御田製作所では、10分の1サイズのミニチュアを作り、お客さまにご覧いただきます。素材は実際に使われている鉄を使用していますので、雰囲気と質感の双方をお客さまがイメージしやすいメリットがあります」とは同じく松井氏。図面を作る際も、お客さまの意見を何度も聴き、形にしていく。まさにお客さまのイメージに寄り添う作業。お客さまが「南プロヴァンスの素朴で個性豊かな雰囲気を」とリクエストすると、はじめは徹底的にリサーチ。今まで培ってきた経験と共に数パターンの図面を提供する。大まかなコンセンプトを決め、具体的な方向性を対話ベースで構築していく地道な作業。しかし、この作業がお客さまの納得のいく、世界でただ一つの作品にたどり着く方法なのだ。

鉄ならではの落ち着きある重厚感を醸し出すロートアイアン
ロートアイアンは、豊かな人生を紡ぐひとつのエッセンス

また、松井氏はロートアイアンを通して日本の住環境が豊かになると考える。「ロートアイアン自体、絶対になくてはならないものではありません。しかし、あったら良いものであることは確実であると我々は考えています。誰しもが憧れるもの、またはその魅力を知れば欲しくなるものだと思うのです。ロートアイアンを提供できる喜びや自負が御田製作所にはあります。それによって少しでも日本の住環境がより豊かになればと思っています」と語る。じつは松井氏、幼少期よりヨーロッパで育った経験を持ち、ロートアイアンの文化も肌で感じながら時間を過ごした。そこで同氏が感じたことは、住む人が自分たちの家をより良くしようとしていることだという。ヨーロッパでは、「ストリート」ごとに家々が団結。沿道に花を植えたり、タイルを張り直したりするという。家は建てることが終わりでなく、建ててからが始まり。ロートアイアンも、年月と共に味わいが増していく。住まう人の時の流れと共に、家もまた成熟したものに。ロートアイアンは、豊かな人生を紡ぐひとつのエッセンスとして在り続けていく。

鉄ならではの落ち着きある重厚感を醸し出すロートアイアン
Takao Matsui│松井 隆雄
Takao Matsui│松井 隆雄

幼少期より欧米諸国で育つ。英国のパブリック・スクールでは、ロートアイアン に囲まれながら寄宿舎生活をおくり鉄のある風景が好きになる。 日本の大学を卒業後、大手メーカー、外資系コンサルティング会社にて経営コンサルタントとして M&A、組織戦略、人事設計等、数多くのグローバルプロジェクトを手がける。日本を変えていく一役を担いたいと御田製作所に参画。自らの海外経験を活かし、アイアンによる風景作りや街づくりの提案を数多く行っている。

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